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旅立ち。
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もうすぐ高校生。
全寮制男子校に通うことが決まって以来、兄二人の不安は尽きず、僕は勝手に幸せは高校生活を夢見ていた。
「ちゃんと、荷物の整理できてる?」
僕の世話を焼いてくれる、長男の三浦真斗(みうらまさと)。
「ったく。なんだってわざわざ遠い寮なんかに入るんだよ。」
口は悪いけどいつも心配してくれる、次男の三浦祥哉(みうらしょうや)。
「もう!二人がいつまでたっても僕のこと子供あつかいして自立させてくれないからでしょう!」
躍起になって言い返す、僕、三浦佑(みうらゆう)。
もう二人とも成人してて、真斗兄はモデル兼塾のカリスマ講師。祥哉兄はモデル兼プロデザイナーとして活躍している。
テレビなんかにもたまに出てたりしていて、どうしてこんな弟がいるのか謎なくらいだ。
僕たちの親は、小さいころ行った旅行先で火事が起きてしまって、僕たち三人を守るために死んでしまった。
二人とも、駆け落ち同然で結婚したから親戚付き合いもないし、僕は二人のお兄たちに育ててもらったと言っても過言ではない。
「僕がいなくなっても、元気でね!さて、最後の晩餐は何がいい?」
「お前なぁ。たかだか寮に入るくらいで、なにが最後の晩餐だ。」
「俺も作るの手伝うよ!」
そんなやりとりをしながら、僕はこの家で最後の時を過ごした。
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