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初体験
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「あ、アヤト・・・?」
「ごめん、ナツメ。だけど、もう・・・無理だ。・・・オレ以外の奴に取られたくないんだ」
ソファーに追い込まれ 逃げれないよう顔のそばに手を置かれたナツメさんは、まっすぐにアヤトさんを見つめる。
アヤトさんはゆっくりとナツメさんに顔を近づける。
「えっ、あ、アヤト、その、私は・・・」
「わかってる。分かってるんだ。自分でもこんなの変だって・・・でも、何度この気持ちを押し殺しても次から次へと溢れ出るんだよ・・・!ナツメだけは諦められないんだよ・・・!」
「っ!?・・・アヤト・・・」
アヤトさんはゆっくりと右手をナツメさんの頬を添える。
「ナツメ、好きだ。お前が欲しい」
「アヤト・・・わ、私も。アヤトの事がずっと・・・」
そうして2人は徐々に顔を近づけ・・・
「「「キャーーー!」」」
お客様が黄色い悲鳴を上げた。
対する僕はほっとんど耐性がないので動揺しぱなっしだ。
『アヤト君とナツメ様のカップリングはいつ見ても素敵だわっ!』
『ナツメ様が攻めもいいけど、アヤト君の攻めも最高!鼻血ものだわっ!』
『奇跡だわ!神様!この2人を出会わせてくれてありがとう!』
でもってお客様の感想が凄い。
神様に感謝し始めちゃったし。
(熱狂的なファンなんだろうな)
僕は初心者ということで今日は厨房メインでやらせてもらっている。
採用決定後。鷹雅兄さんから借りた本と近所にある大型レンタルショップで大量に借りた本を読み漁り、ある程度の知識は身についたと思う。
(問題は実践できるかどうかなんだよね・・・)
家庭科の授業と同じで、【知識がある=実践可能】という訳ではないのは僕にだってわかる。
知識があって上手くいくなら僕の【年齢=彼女いない歴】はとっくの昔に破れていると思う。
僕はお客様からのメニューを持って行ったその時、チラッとアヤトさんと目が合った。
その目はまるで何かを狙っているようなするどい目つきで・・・
なぜか罪悪感を感じた。
うん、ガン見してごめんなさい。
「ごめんなさい、先輩。待たせちゃったね。はい、先輩が欲しいって言ってた【甘々シロップのパンケーキ】だよ!」
『ありがとう、ユキちゃん』
お客様の顔がパッと明るくなる。
ここのカフェは2週間事にコンセプトが変わるらしく、今回は【学園】がテーマ。
そして、お客様達は【先輩】か名前呼び。
(名前を呼んで欲しい人は名札着用)
さらにここのメニューは食べても良し、お客様からのリクエストがあれば誰かが誰かにこういうシチュエーションで食べさせるという事も出来る。
僕としてはせっかく作ったので食べて欲しいんだけど・・・。
『じゃあ・・・ユキちゃんとアヤト君にしよっかなぁ』
『え~、ゆーと君と明君って前に言ってたじゃん!』
『でもぉ、新しく入ってきたユキちゃんの事気に入っちゃったんだもん!ねぇ、ユキちゃん!いいでしょ?先輩からのお願い!』
お客様は上目遣いでお願いのポーズをする。
僕は笑顔で頷くと丁度手が空いたらしいアヤトさんを呼ぶ。
「先輩、呼んでくれてどーも。オレは誰とどうすればいいの?」
『アヤト君が攻めでユキちゃんが受け!でもってアヤト君はユキちゃんにちょっと強引に食べさせて、ユキちゃんはそれを恥じらいながら食べて欲しいな』
『膝の上に乗っけて食べさせるシチュも萌えるよね~』
アヤトさんは相槌をうち、お客様の向かい側のソファーに座る。
「わかりました。では、始めますね。」
アヤトさんはニヤリとした笑みを浮かべると、ぐいっと僕の手首を掴んで引き寄せた。
「うわっ!」
僕はバランスを崩し、アヤトさんの膝の上に倒れ込む。
そこをアヤトさんが受け止め、膝の上にひょいっと僕を座らせた。
「ユキちゃん、前にパンケーキ食べたいって言ってたよな?」
「い、言いましたけど」
「じゃあ、オレが食べさせてやるよ。ほら、口開けろ」
ちゃんとシチュエーションを聞いて頭では理解したはずなのにパニックになりつつある僕は膝の上から落ちないようアヤトさんの胸にしがみつくので精一杯だ。
「ユキちゃん、口開けろ。あー、イヤならいいんだぜ?」
怪しい笑みを浮かべたアヤトさんは耳元で囁いた。
「口移しで食べさせてやるから」
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