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あくまでも確認です・2
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「〜〜〜っ!!??」
「おや、ありませんね」
声にならない悲鳴を上げ、僕は夏目さんを突き飛ばそうとする。
「綾人。ボーッと見てないで優樹さんを拘そ・・・抑えていてください」
「はいはい、わかったよ。ごめんな、ユキちゃん。」
が、綾人さんが僕の肩をぐいっと引き寄せて僕のバランスを崩し、片手で僕の両手を掴んだ。
僕は逃げよう力を入れるが綾人さんの手はビクともしなかった。
その間、夏目さんは器用な手つきで僕のブレザーのボタンを外していく。
「ちょっ、夏目さん!?」
「静かにじっとしてください。小学生じゃないんですから」
(小学生でもこんな目にあったら抵抗すると思うんだけど!?)
ブレザーをめくると、夏目さんはワイシャツの上から胸元に再び手を滑らせた。
シャツ越しから夏目さんの手の感触や温度がじわりと伝わってくる。
ひっ、と小さく悲鳴が出る。
夏目さんはふぅっと息を吐いて、僕から少し離れた。
「・・・優樹さん」
「は、はい」
「次は後ろです。」
・・・は?
「後ろを向いてください」
「・・・・・・はい?」
まだやるのか!?
胸を何回も触っておいてまだ足りないのか!?
「遅くてイライラしますね。早く。」
お前は悪魔か!?
「・・・ユキちゃん、悪い」
綾人さんは僕の手を離し、ヒョイっと僕を持ち上げて向かい合う姿勢になるように膝の上に乗せた。
「あ、動いたら落ちるかもしれねぇから適当に肩でも掴んで」
僕は怪我しなくないので言われた通り綾人さんの肩を掴むことにした。
胸板は厚いし、肩もガッシリしてるし男らしすぎる。
一体何をどうしたらこんなにムキムキになれるんだろうか。
そして、今は綾人さんの足を挟んでいるし膝立ちをしているので姿勢は若干違うが、パンケーキの時の事を思い出してしまい顔に熱が集中する。
思考回路もだんだんぐちゃぐちゃになってきた。
(頭痛い・・・。)
「綾人、抑えていてくださいね」
そういうと夏目さんは僕のお尻にピタリと手を当てた。
「っ、あっ・・・!」
ビクン、と僕の身体は飛び跳ね、掴んでいる手に力が入る。
「・・・え?」
綾人さんは呆然とした顔で僕を見る。
僕は慌てて口を抑える。
(い、今、なんか変な声、出た、
女の子みたいな高い声が・・・)
「もしかして、優樹さんって敏感な方ですか?」
後ろから耳をくすぐるように夏目さんが話しかける。
息が耳にあたりゾクゾクとする。
僕は振り返って夏目さんを思いっ切り睨む。
「ふふ、かわいいですね。
そんな涙目で睨まれてもこわくありません。
むしろ、もっといじめたくなります」
心底楽しそうな顔で微笑んだ夏目さんは
こういう状況でなく、また僕が女の子だったら
間違いなく一目惚れしそうな程 笑顔が甘い。
が僕は男だしとても最悪な状況の中にいるので
その笑顔が悪魔の笑みにしか見えない。
「こっちを見るのもいいですが、前を向いた方が賢明では?見ていた方が感じるのでは?」
夏目さんの手が上下にゆっくりと動く。
僕は正面を向き直し、恐怖と恥ずかしさなどに必死に耐える。
そのでも手が動くのを感じる度に嫌でも身体は反応し、最初は力んでいた手や足に徐々に力が入らなくなる。
(なんか、身体が熱い・・・)
なぜか甘い痺れの様なものが全身にじわじわと広がる。恐怖で視界は涙で滲み、辛くてこの場から逃げたくなる。
僕は顔を見られたくなくて綾人さんの肩に顔を埋めるように隠してひたすら耐える。
呼吸が浅く、熱っぽくなる。
(な、なにこれ・・・?なんか、変な感じ、する)
「ユキちゃん・・・」
綾人さんが僕の頬に手を当てる。
火照った頬に冷たくて大きな手は気持ちよく、一瞬ビックリしたがずっとこのままでいたいと思ってしまった。
「綾人さん・・・」
「っ!」
僕は顔を上げて綾人さんを見上げる。
綾人さんは息を飲んだ。
「僕、なんか・・・」
「ユキちゃん、そのまま動かないで・・・」
綾人さんは僕の顔を両手で包み込んで動かないようにする。僕は顔を近づける綾人さんを黙って見つめ続ける。
「ユキちゃ・・・」
「ありました!」
(・・・・・・・・・?)
お互いが少しでも近づけば触れそうな距離でピタリと綾人さんは止まった。
首だけ動かして振り返ると、そこには僕の生徒手帳を持った笑顔の夏目さんがいた。
「確か、生徒手帳の最後の方に保健書のコピーが貼られているはず・・・。ああ、ありました。」
夏目さんはそのページを開いて僕達の方に向けた。
「三城 優樹。性別 男。と確かに書いてありますね」
・・・え?
頭があんまり働いていない僕はじっと夏目さんを見る。
夏目さんはなぜ分からないのかと言いたげな顔をする。
「確認すると言ったでしょう?貴方が男かどうか。
胸ポケットに入っているかなと思ったのですが入っていませんし。それだったらズボンかバッグのどちらかだと思いまして。当たって良かったです。」
・・・つまり、あの行動は全て生徒手帳を探す為にやったと?
(紛らわしいわっ!こっちは・・・こっちはむちゃくちゃ怖い思いしたのに!)
僕はわなわなと震える。
綾人さんは夏目さんに呆れるような視線を送る。
「お前、途中からユキちゃんの反応に楽しんでただろ。」
「あれだけ敏感に反応してくれる方はなかなかいないのでつい。面白かったですよ?」
「悪魔かお前は」
綾人さんはため息をつくと、僕の背と膝の裏に腕を回して立ち上がった。
要するに僕は綾人さんに抱っこされた。
「ユキちゃん、部屋に行こう。熱がある」
「は?」
そういえば頭と身体の節々が痛いような・・・。
そう思った瞬間。
ぐらりと視界が歪み、僕は意識をすっと手放した。
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