アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
変化球なしの直球勝負で
-
「直球過ぎないか!?」
渡島先輩は目を丸くする。
「お前 直球じゃないと通じないだろ」
対する八重樫さんはニヤニヤと微笑を浮かべる。
「で?どうなんだ?」
「ど、どうと言われてもだな・・・」
渡島先輩は妹さんにチラッと目線を向ける。
「ど、どう思ってるんだ!?椎名!!」
「・・・う゛ぇっ!?」
まさかの突然の指名。
変な声を上げる椎名に思わず視線がいく。
「な、何でオレ!?」
「どう思ってるんだ!?」
「ど、どうって・・・女の子?」
誰も性別の事は聞いてない。
「そんなことより!
お前はどう思ってるんだよ、優樹!」
「何で僕なの!?」
そこは先輩に返せよ。
「僕は女に間違えやがってふざけんなコノヤロー。
としか思ってないんだけど」
「優樹、口調。キャラ設定が崩壊しつつあるぞ」
「大丈夫。そんなもの上書き保存すれば誰にもわからん」
「証拠隠滅!?お前 黒いな!」
「で?先輩 どうなんですか?」
僕はにっこりと笑顔を浮かべてみせる。
何を思ったのか知らないけど、
先輩の顔から笑顔が消えた。
「そ、そうだな。その、八重樫妹は真面目でいい子だと思う。よくテニス部の見学もしているようだし、兄思いの子だと・・・」
「渡島さん・・・」
妹さんは頬を染める。
「お前が来る日にしか見学に来てないし、反抗期真っ只中の生意気なガキだからな?」
八重樫さんは小声でそんな事を言う。
「その、つまり、とてもいい子だと思っている」
「あ、ありがとうございます」
渡島先輩と妹さんはお互い顔をほんのりと紅くして俯く。
甘酸っぱい雰囲気が辺りに漂う。
・・・爆ぜろよ。
「と言うことは渡島先輩は千夏ちゃんの事が好きって思っていいんですよね?」
「ああ、そりゃあライバルの妹だし好きだが?」
「ん?恋愛対象としてではなく?」
「え?」
「え?」
椎名の言葉に先輩はきょとんとする。
「そ、そういう意味で聞かれていたのか!?」
「なんでここまで引っ張っておいてわからなかったんだよ!もうダメだ。これは千夏ちゃんからガツンと1発食らわせないとダメだ」
椎名は妹さんをぐいっと先輩の前に突き出す。
「千夏ちゃん。今言わないと優樹がかっさらうよ?」
「なんで僕をそこに出した!?」
「そうですね!渡島さん、ずっと前から好きでした!」
「待って!何で納得しちゃったの!?ねぇ、何で!?」
八重樫さんが同情した顔で頭を撫でてきた。
さらに切なくなるからやめて欲しい。
「八重樫妹・・・いや、八重樫千夏。」
渡島先輩は真剣な顔で、
きっと試合の時と同じぐらい真面目な顔で、
ハッキリと言った。
「オレもずっと前から好きだった!
オレと付き合ってくれないか!?」
妹さんは満面の笑みで元気よく答えたのだった。
「よろしくお願いします!!」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
29 / 63