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事情(*)
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「うまい…」
「そう? 良かった」
しばらくして呼ばれたため、部屋に行くと、机の上には白米と、味噌汁と、餃子が湯気をたてていた。
「餃子って、手作りですか?」
「うん。昨日作っといたのをさっき焼いた。いっぱい作っておいて良かった」
「…先輩は神ですか」
「いや、これぐらいなら誰でもできるでしょ」
「…俺はできないです」
「今度教えようか?」
「うん」
空腹を満たし、改めて先輩の部屋を眺めると、机や教科書、参考書、ベッドと、少しの本しか置かれていないことに気づいた。
「先輩の部屋こそエロ本ないでしょ」
「うん、まあ…」
「なにでヌいてるんすか?」
仕返し。
「必要が無いというか、なんというか」
「?」
必要がないとか言ったか?
「いや、何でもない。適当にレンタルして来て…」
「テレビ、ないですけど」
「……」
焦ったように視線をさ迷わせる先輩。
「まさか、相手がいるんじゃ…」
「違う!」
すごい勢いで否定された。
「たたないとか」
「違う」
「女に興味無いとか」
「多分違う」
「え?」
「…女の子では、そういうことしない」
「男相手?」
「別にそういうわけじゃ…」
「?」
「~~~っ!とにかく俺の話はいいから! 結生くんはなんでこんな普通のマンションでひとり暮しを?」
…話そらしやがった。そんなにアブノーマルなのか!?
「まあ、いいです。そのうち白状させますから。えっとですね、別に一人暮らしで豪華なところ住まなくてもいいかなって思っただけですよ」
「ふーん」
「先輩こそなんで家近いのに一人暮らしを?」
「…家にいたくないからかな。あの家に俺は必要無いし」
「それってーー」
「結生くんこそ!なんで、わざわざ料理もできないのに一人暮らし?」
「由真がウザイからです」
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