アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
※我慢
-
どうすれば気持ち良くなれるかなんて、秋月にしてみれば考えるまでもない。
「それは、僕が男だからですね。触れられたら、反応してしまいます」
「相手が誰でも?あんな場所で痴漢にあっても、たとえば今ここで…俺に触れられても?」
不愉快なたとえに、秋月は黙っていられるほど温厚ではなかった。喧嘩を売られている気分だ。
「遠野先生。奥さんがいるんでしょう?男にも興味があるんですか?そういうの……正直、一番腹が立つんですけど」
普段見せないような表情で真っ直ぐ秋月に睨みつけられ、返ってきたのは意外な反応。遠野は嬉しそうに笑っている。
「そんな目で見ないで、秋月先生。ゾクゾクするなぁ……。睨んだ顔も綺麗だ」
「何を言ってるんですか。帰ります」
「俺は男に興味はないよ。でも、あなたは特別です。ずっと、色っぽい人だなって思って見てたんだ。近づくと引かれそうだから、あえて距離を置いてたけど……。あんな姿を見せられたら、俺、」
「離してください。そんなつもりで来たわけじゃない!男の僕と浮気するつもりですか…?冗談じゃないです」
手を振りほどいて、秋月は冷えた口調で突き放した。
「長谷川先生には、抱かれているんでしょ?彼は変わった。人間らしくなったというか…。それはきっと、あなたの影響で」
「あの人に家庭はありませんから」
長谷川と関係を持っているのも、長谷川が未婚であることも事実だ。恋人同士ではないが、そこまで説明することもない。
自分を棚に上げ、人の貞操にどうこう言うのは筋違いだろうが、ノンケの……ましてや家庭のある男に、興味本位で手を出されるのは我慢ならない。
「……わかりました。でも、約束してくれませんか?学校で、俺のことを無視しないって。これからも、こうやって話してくれるなら何もしません」
「今までだって、遠野先生のことを避けていたわけではありません」
秋月は柴木と違い、そんなに社交的なタイプではないが、それでも世間話くらいする。そもそも柴木は、居合わせた見知らぬ他人ともすぐに打ち解けるくらいなので、比較するには分が悪い。
「怒った顔も可愛いなぁ、秋月先生。生徒があなたをからかいたくなるのもわかる。色んな表情を見たくなる」
……この会話は、噛み合っているのだろうか?
「…失礼します」
腹立たしい気分で秋月は唇を噛み、遠野の家を出る。電車に乗らず、タクシーを拾って帰った。
***
「わ」
会いたいと連絡すると、恋人はすぐに来てくれた。玄関に入るなり飛びついて来た秋月に、後藤は思わずよろけてしまう。こういう衝動的な行動は、珍しい。
「後藤くん……」
「センセ、泣いてるの?……呼んでくれてありがと。嬉しいよ」
完璧な反応だ。後藤にぎゅっと抱きしめられると、それだけで、じわじわと幸せが広がっていくように感じて、秋月の中でさきほどまでの苛立ちが解けていく。
「後藤くん、後藤くん大好き。大好き。いっぱいエッチして。後藤くんが欲しいの」
セックスの時だけは素直、なんて通り越した直球の誘惑。頭がクラクラする。その特別な甘さに後藤は毎度酔わされて、骨抜きになってしまうのだ。
「ちょ…また、そんな……」
「キスして…」
今ならどんな命令にでも従ってしまいそうな感覚に、落ちつこうと息を吐く。すぐに無駄だと思い知り、後藤は舌を絡ませた。
「っ……秋月先生…!」
(期待してドキドキしてる後藤くん、かわいい。めちゃくちゃにしたい)
後藤の紅潮した表情を眺めながら、唇を吸う。離したくなくなってしまう。
「先生…。今日、すごいね?エロいのはいつもだけど」
「……電車に乗ったら触られて、」
「え、大丈夫だったの」
間髪入れずに問いかけられたものの、正直、あまり大丈夫ではなかった。後藤にも、その状況は簡単に予想できたのだろう。
「遠野先生が偶然いて、助けてくれたから」
「遠野って……あの眼鏡のイケメンか?あの眼鏡、伊達なんだって知ってる?実は視力が良いって羽柴が…」
「他の男のことなんか知らない。後藤くんとやりたい」
「…遠野に、何か言われた?」
(後藤くんって、時々妙に鋭いよね。僕がわかりやすいから?)
「僕のこと綺麗だって。笑っちゃう」
どこか冷めた目で笑う秋月は、偶に見せる毒を含んだような表情で、その色気を不意に感じる度、まだ知らない何かが隠されているようでドキドキする。
「秋月先生は綺麗だよ。可愛いし、色気があって、……どんな風に触られたの?教えて?オレが、嫌な時間を塗りかえるから」
(やっと…後藤くんとセックスできる)
「初めは後ろから……お尻を、揉まれて」
「後ろから?こう?」
「んっ……ぁ…うん、そんな風に……。エッチなこと言われて、耳を、舐め…ひゃっ!アァッ!」
(後藤くんに触れられてるって、意識するだけで僕……!)
「可愛い声……。電車の中で、声我慢できたの?無理でしょ?秋月先生。こんなに敏感なんだから」
見たかったなんて言ったら、秋月は嫌がるのだろうか。車内でこの恋人を触るなんて真似は、色んな意味で危険すぎて絶対に出来ない。悪戯だけで済ませる自信も、自制心もないのだ。お互いに。
「出ちゃうのっ……がまん、したけど…漏れちゃうからあっ!アァン……」
「手、入れるよ?」
「うぁっ……はぁ…ぁ……!」
「また、こんな…黒の、レースのTバック?これ着けて電車乗ってたの?」
こんな色気を見せつけられた、見知らぬ痴漢に同情しそうになってしまう。
「後藤くんにだけ。今だけ……」
「……もう!オレも、我慢できなくなるだろ。よく見せて?下、脱がすよ」
「………」
自分から用意しておいたものの恥じらいはあるらしく、紅潮させた頬を隠すように俯かせ、秋月は黙りこむ。
「うわ、写真撮りたい…。何なの毎回。その破壊力は……このエロ教師のケツに、早く挿れたい。はぁ……」
年齢なんて関係なく、自分が大人であったとしても、秋月に魅せられてしまうだろう。
「んんっ…」
後藤はTバックを掴み、尻に食い込ませるようにグイグイと動かした。擦れるのが気持ち良く、秋月は壁に身体を預けた。
「あぁん……後藤くんっ…」
丸見えになる尻肉を揉みしだき、秋月の弱い耳に息を吹きかける。
「あっ、あんっ!」
「ここは弄られた?」
「はあんっ!…アッ……指、ゴリゴリされて!」
「先生イッちゃったんじゃないの?先生のオマンコ、ここ触られるとすぐ、スイッチ入るよな」
「ひゃあっ!イカないもん……。がまん、できたのっ…後藤くんが良いの!大好きっ……ンン…」
可愛いことを言う恋人に舌を絡めて、うっとりしたような、蕩けた表情の秋月と目が合う。
「前は触ってないのに、そんなに硬くさせて…。ほら、このチンポが欲しいんだよな?」
「あ……欲しいの……後藤くんの勃起チンポ、挿れてほしいよぉ」
「オレも挿れたいけど、まだだよ」
「…あぁ……!」
楽しむように、後藤のペニスが秋月の尻をつんつんとつつく。そのまま太腿におりていき、もどかしそうな秋月の様子に、後藤は少し笑った。
「痴漢は、先生の中に挿れたの?」
「そこまでは……。そうやって、素股で…」
「こうやって?チンポ擦りつけてきたの?先生のここにピトッてくっついて?スリスリされた?」
(すぐに欲しい……!足りない、だめ…っ)
「あっ、あっ!アンッ、気持ちぃ……はあっ、挿れてぇ、後藤くんが欲しいよぉっ。グチャグチュしてぇっ!」
楽しむ余裕など微塵もなく、貪るように後藤を求めて、秋月は喘いだ。後藤が欲しい。いつもなら少しくらいは自制できるその欲求に、本能のまま腰を揺らす。
「っ……チンポ挿れるよ、先生のケツマンコに」
「来て!後藤くぅん…あはぁ……ん…あ、ああっ……イッちゃっ…!イクッ!」
我慢していたせいなのか、すぐに秋月は達して身体を震わせた。
「……う…。挿れただけだよ、まだ…」
「アッ…まだ動いちゃダメ、イッてるのっ……アンッ!後藤くん好きっ……好き、好き、大好きっ!」
今日の秋月は、いつにも増してテンションが高い。ただでさえ翻弄されているのに、こうなってしまってはもう、満足するまで付き合うしかないのだろう。
「本当にもう、センセってば。オレに嘘ついてるだろ?痴漢にイカされたとこ、遠野に見られたの?今みたいに、いっぱいちんぽミルク出して……この淫乱教師」
気持ち良さそうに喘ぐ秋月に囁いて、後藤は苦笑した。みだらな恋人の愛の告白は、繋がっている時が一番素直、かつ大胆でまいってしまう。
「ちがうの、今だけっ……!後藤くんじゃないとやだぁ」
「オレのチンポゆっくり味わってね、先生。……それで?他に何かされた?」
「違う男も来て、乳首を触られて……。ぬるぬるになった僕のちんぽを握られて…」
「おっぱいも弱いのにね?感じ過ぎちゃったんじゃない?すげえコリコリ」
「ん……ダメ、また…っ!アッ、アアン!イク、出ちゃう!」
痴漢行為を思い出しているせいなのか、感じすぎるのか。…やっぱり、二人に攻められる秋月を見てみたかったような気もする。実際目にしてしまったら、腹が立ちそうなものだが。
「イキまくりじゃん。全然説得力ないんだから、秋月先生…。ダメだよ?遠野にもイッちゃうとこ、見られたんだろ?オレの先生なのに。秋月先生!」
「あん、はぁんっ……アッ!イッてない…遠野先生には、僕……」
「グショグショにして、変態なんだから。遠野も見る目が変わっただろうな。……そんなだから、他の生徒にオカズにされて…いっぱい妄想で犯されて……。このっ…全部、オレの、なのに!」
言葉責めすると秋月の感度が上がるので、わざと意地悪な言い方をすることもあるのだが、後半は完全なる愚痴だ。恋人が性欲のはけぐちにされているのは、いいものではない。
「あ、あ、気持ちいっ…!やだあっ!そんなこと、言わないで……アンッ!やあっ!後藤くんが好き、好きだからっ……だもっ……」
「先生が好きなのはオレ?オレのチンポ?」
「全部好きっ、大好きっ!かっこよくて、優しくて……ドキドキするの…好きっ!後藤くんのっ、チンポでヌプヌプされるのも気持ちぃの……」
「う、センセ……!オレ、もぉ…」
「ひあぁっ!…あ…あっ……ビクビクって…!あぁ……熱い…ん、んんっ!出て…アンッ!」
「愛してる。身体だけじゃない、本気で好きだから。…何度でも言うけど」
聞いているのか、聞こえているのかどうか…届いているのか、わからないけれど。何度伝えても、自分の気持ちを秋月はよくわかっていないんじゃないか?そんな疑問が拭えない。
「もっとして……」
「え?」
「信じるから、もっと…突いて。いっぱい欲しいの。後藤くんが……足りないの、もっと…アァッ!」
「っとに、もう…!」
そうねだられてしまったら、応えるしかないではないか。後藤はベッドへと秋月を促し、正常位の体勢で秋月を見下ろした。
嬉しそうに手を伸ばしてくる秋月には、自分しか見えていない。何となくそんな事実に安堵し、後藤は唇を寄せるのだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
43 / 50