アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
鏡に映ったのは
-
『あーーー…………。痛ってぇ………………。』
俺は家に帰ると風呂場へ向かった。制服は、土などが付いてしまっていて、これ、まだ1日着たばっかだよな……?
と疑ってしまうほど汚れていた。腕や足、顔などもそうだった。
制服を脱ぎ、シャツを洗濯機に放り込んで風呂へ入った。入ると思わず息を呑む。
『うっわ…………何だよこの色……すげー痛てぇと思ってたけど、まさかここまで腫れてるとは……。』
風呂の鏡に映り込んだ俺の右脇腹は青紫色になっていた。
そう。影宮くんに足蹴りを喰らったあの右脇腹である。
まるで太くて重いベルトが押し当てられた様な痣の跡が、くっきり鏡に映されている。
((影宮くんの足蹴り、威力ハンパないな…コレ………))
触ると、とても痛い。そっとシャワーを脇腹に当てみる。
…ビクッ……! !!
痛みで自然と身体がビクついた。
『い゛っ……!!! …んんッ…………つぅ……』
痛すぎて変な声出た。ひたすら恥ずかしい。そんな事はもう忘れて浴槽へ。
……チャプンッ…………
静かな浴室にお湯の音だけが響く。音が反響する。
『あー …………気持ちい……、温かい……』
そう呟くとお湯で顔を洗う。
顔にも傷があったのだろうか、頬が沁みる。
((後で絆創膏、貼っとかなきゃなー。脇腹にも湿布だな))
髪も洗い、浴室を出る。すると浴室のドアの前に置いておいた携帯のライトが点滅していた。
どうやら風呂に入っているうちに誰かから連絡があったようだ。携帯を取り、パスコードを解いて画面を開く。メールだ。歩輝からだった。
題名:【大丈夫か?】
本文: 大丈夫か?無事、家着いたか?先生には海翔の事伝えておいたからな。心配してたぞ、先生もみんなも。
結局まだ影宮は戻ってねーんだわ。蹴られた所、痣になってるかもしれねーから湿布貼っとけよな、それと今日は安静にしてること! 明日、学校来れなそうならメールしてくれ。先生に言っとくから、じゃお大事にな。
━━END━━
歩輝がこの痣見たらビックリするな……。見せないようにしないと……。俺は【ありがとな。】とだけ打ち込み、返信した。
次の日俺は、昨日と同じ時間に家を出た。頬には絆創膏。脇腹には湿布。入学早々、色々と散々だ。
ま、俺が悪いんだけどさ。
はぁ…………………。自然とため息が出た。
((影宮…学校来てくれるといいんだけど…))
俺の学校へ向かう足取りは重かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
16 / 114