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こんなはずじゃなかった
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影宮視点
柳田が倒れそうになると自然と俺の身体は柳田の方へと向かっていた。柳田の身体を支える。
……とこまではよかったが俺もバランスを崩し、2人とも道連れで床に倒れ込む。
後頭部に、じんわりと鈍い痛みが広がり、顔を歪める。
後頭部は痛いし身体も痛い。
しかも俺の上には柳田。
((いって………………重っ…………))
すると柳田が謝りながら俺の上からどこうとする。
しかし、その時。
俺の股間が柳田の膝にグリッと押された。
いきなりの刺激に変な声をあげてしまう。
『んあっ…………っ………!』
自分でもこんな声が出るんだと驚くほどの声。
慌てて右手で口を押さえる。顔が熱くなるのが自分でもわかった。
柳田から目をそらす。
チラッと柳田の方を見ると柳田も顔が赤くなっていて、
驚いた顔をしていた。
熱のせいかもしれないがたぶん、さっきの出来事のせいもあるだろう。
((あー…。やっちまった……。柳田が倒れ込んだせいだ、恥ずかしい……))
俺はその場にいる事が恥ずかしくなってきたのでもう帰る事にした。
柳田に一言言うと部屋を出て階段を降りる。
その時、玄関のドアを誰かが開けた音がした。
『ただいまー、あれ?これ誰の靴かな?』
玄関にあった俺の靴を見たのだろう女性が不思議そうな声をあげる。
おそらく柳田の母親だ。
『あ、すいません、その靴俺のっス。』
そう言って女性の前に出ていく。
『あらー、初めて見る人ね、海翔の友達かしら?』
微笑みながら俺に話しかける。
笑顔が似合う人だった。
『は、はい、…まぁ…。
俺、柳田と同じクラスの影宮っス。
…遅くまでお邪魔しました。
柳田、風邪ひいたんで学校無理して来んなって伝えてもらっていいすか?じゃ失礼します。』
柳田に、伝えたい事は母親に任せた。
軽く会釈をすると玄関のドアを開け、外に出る。
周りはもう、暗くなっていた。
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