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最悪のテスト用紙
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数分後。京佑が戻って来た。
『はぁーーーー、疲れた疲れた』
テーブルへ座り、自分のバッグから筆記用具を取り出している。
『なぁ、京佑。駆はーー?』
苦笑いをしながら柚樹が聞くとクイッと親指で後ろのベッドを指さす。そこをみんなで覗き込むと…
笑い疲れて、ひぃひぃ言いながらグッタリしてベッドに埋もれている駆の姿があった。
『あぁ…………啖呵切っといて負けたのか……』
駆と京佑以外の4人が同時に口を揃えて、そう言った。
『すまへんどしたなぁ。ほんなら勉強会しましょか!』
そう言った時、駆がヨロヨロと起き上がりこちらに向かって来た。そのまま床に座り、勉強の準備を始める。
『お、おい大丈夫か?駆。元気ないな……』
陸人が声をかける。
『あかん……自分から啖呵切っといて、こんな奴に負けるなんて信じられへんわっ、くっ…』
((あぁ…京佑に負けて悔しいんだなぁ……。))
『……勉強会…俺もやる…、』
駆は京佑に負けて急に大人しくなったようだ。
そこで京佑が案を出した。
『さて…と。
まず俺を含めた陸人、影宮の3人が教える側。ほんで駆、海翔、柚樹のバカ3人勉強教わる側。
その為のペア作ろか。ちょうど6人いるんやし、その方がええわ。
いくつか苦手科目があったとしても3連休で泊まりなんやから時間がある限りなんとかなるやろ?
ほんなら先週の授業中やった、それぞれのテストプリント出してくれはりますか?』
((さ、さすが京介………目的と方法がはっきりしてる…))
3人がほい、とプリントをテーブルの上へ出すと京介と陸人と影宮くん3人が手に取り、眺め始めた。
『どれどれー…?』
【柳田 海翔】
・国語75点
・数学23点
・英語65点
・地理80点
・科学85点
【月島 柚樹】
・国語50点
・数学54点
・英語20点
・地理56点
・科学58点
【日向 駆】
・国語5点
・数学10点
・英語6点
・地理20点
・科学9点
『えーーーーと、ちょお待って…?え?!まちーや?!どこから突っ込んだらええんやろ……』
京佑は額に手を当てながら口を開いた。
『こ、これ……なんてフォローすればいいんだろ…』
陸人も苦笑いしながら京介に続いた。
『海翔は数学以外はええやん。つか結構いい点数や、お前は数学だけ勉強すればええな。』
『おう!!ありがとう!俺、数学頑張る!』
『柚樹は………なんやろな、まぁまぁって感じやな…。
良くも悪くもないなぁ…。
でも英語が苦手みたいやから英語は絶対やらなあきません。あとは自分が危ないと思う教科やりーや。』
『お、おう?……褒めてんのか?貶されてるのか…?
まぁ俺も頑張るわ…』
『問題は………………………駆や!!!!!おい駆!!』
『はひっ?!?!』
『あかん……こらあきまへん……!確かに駆はアホや思てたけど、さすがにここまでとは!!!!!』
『はぁ?!なんやとこらぁ!!!アホてなんやねん!』
『そやかて、国語5点て!英語6点て!!科学9点て!!
数学10点て!!なんやこれ!!!
どないしたらこんな点数取れるんどすか?!ほんまアホやな!!!高校に合格出来たんが奇跡みたいやわ!』
『しゃあないやろ!!これでも頑張った方やで!!!』
『はぁ………どないしょ……。もぉ嫌やわぁ…。ほんまかんにんしてぇな…。
じゃあ……海翔の数学は影宮はんが。柚樹の英語とその他は陸人が。駆の……全教科は……お、俺が……担当する…。
この部屋広いし、バラバラに散らばって勉強しよーや』
((大変だなぁ…京介……))
【1日目、それぞれの課題教科】
・海翔 →蓮(数学)
・柚樹 →陸人(英語)
・駆 →京佑(国語)
『なんで俺のペアが京介やねん!!俺だって嫌やで!!こんな奴に勉強教えてもらって借しつくるなんて!』
『そんなんゆーたら俺かて嫌や!!こんなバカに全教科教えるなんて!しっかり理解してくれるとも限らんし!』
『でも、全教科教えられるのは今のところ京佑しかいないんだよ?俺もそこまで頭良い訳じゃないし、影宮も数学だけらしいし…。な?頼むよ京介。
駆もこのままだったら赤点なんだぞ?夏休みに補習なんだぞ?お前はそれでいいのか?
せっかく教えてくれるって言ってくれてる京介に失礼じゃないか?嫌がってる場合じゃないだろう。わがままも、いい加減にしろ。京佑も駆も』
((うわぁ………陸人が怒ってる……、珍しい……))
陸人の言葉に部屋中が一瞬シンとかる。
『す、すんまへん……』
2人が声を揃えて言った。
『………よし!!!じゃ、じゃあ始めようか!』
暗い空気を取り払う様に柚樹がパンッと手を叩いて声をかけた。柚樹の言葉に俺ものる。
『せっかく影宮くんがお菓子とか飲み物持って来てくれたんだし食べながらやろーよ!はい!飲み物何がいい?』
『俺はお茶を。頼んます』『俺は勿論、牛乳やな!』『じゃあ俺はコーヒーで』『俺、オレンジジュースッ!』
((おぉ…陸人はコーヒーか……大人ぁ…))
『影宮くんは何がいい?』
俺はそれぞれの飲み物をコップに注ぎながら聞いた。
『俺は…ホットミルク………』
『影宮くんって以外と可愛い飲み物セレクトするんだな』
笑いながら冗談半分で言うと
『っ…………んだよ…悪ぃかよ…牛乳好きなんだよ』
と俯きながら少し顔を赤らめる。
さすがに牛乳は2階に持ってきていなかったから牛乳持ってくるね、と俺は部屋を出た。
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