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夜空
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((いやいやいやいや…………何言ってんの俺!何で言ったの俺!))
俺は河原の側の道をトボトボと歩きながら、先程の事を思い出して自分が言った言葉を思い出していた。
あの後は結局、何と言って誤魔化すかわからず
じゃあ!、と言って逃げてきてしまったのだ。
確かに昨日の出来事は影宮くんに言った通り後悔はしていない。泣き顔見れたし…気持ち良かったみたいだし……エロかった……し…。
((あ゛ぁぁもう!!))
俺は髪をグシャグシャと掻きながら土手を降りて下まで行き、草の上に腰を降ろした。
夜の河原。虫の声。水が流れる音。風になびく草木の匂いと音。
今、この場所にいるのは俺1人だけだ。この景色を見ていると、なんだか落ち着ける気がする。
ホッとするというか、安心するというか、そんな感じ。
この河原には小さい頃から、何回も来ている。
よく覚えてないけれどまだ歩けない頃から、俺が泣くと母さんはいつもこの河原に連れて来てくれたらしい。俺はここに来ると泣き止んでジッと河原を眺めては、笑っていたと母さんに聞いた事があった。
小学生の時。サッカーの試合で負けた日もこの場所に来て座り込み、ずっと泣いていた。
中学生の時。何か悩み事があると必ずこの場所に足を運んで夕日を見ながら、どうしようか、と考えた。
そして高校生になった今。
今も毎日この道を通って学校へ通っている。本当は少し遠回りになってしまうのだが、どうしてもこの場所からの景色をいつも見ていたいからこの道を通る。
つまりこの場所は俺が幼い頃からずっと、一緒の時間を過ごしてきた家族の様なものなんだ。
『何であんな事、言っちまったんだよ……』
俺は草の上に仰向けに寝転んで静かにそう呟いた。
上には満月と星が出ていた。周りに家が無い為、明かりが無く、星が綺麗に見る事ができた。
最強、自分がよくわからない。影宮くんの一言一言に嬉しさを感じたり、ずっと一緒にいたいと思ったり、エロく………感じたり…。自分の身体や感情をコントロール出来ない。
((ッんだよ、これッ……))
『ッあ゛ーー、わっかんねぇ!』
俺は勢いよく立ち上がり、土手を登ると、そのまま家へ向かった。
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