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5限、6限と何とか寝ずに耐え抜いた俺は6限のチャイムと同時に机に伏せた。
教室のドアが開き、沢ちゃん先生が入って来る。
『はーーい、HR始めるぞ。委員長、号令』
《起立ーー、礼ー、着席ーー》委員長の号令がかかった。
『はい。じゃあ帰りのHR始めるよーー。えーっと、
みんな科学の千葉先生が病気の為、入院する事になったのは知ってるよな?
それで千葉先生の代わりとして明日、新しい先生来る事になった。色々サポートしてやってくれ。一応言っておくが男の先生だ!結構イケメンらしい。女子ー?いまさら、その先生の前で猫被ったりするなよー?w
また明日の朝に、あたしから紹介するつもりだ。
以上、解散!あ、柳田は居残りなー。』
((わかってるわ゛ッ…!))
クラスの女子が騒ぎ出す。
『明日来る先生イケメンだってよッ?!どーしよ、』『どんな感じの先生かなぁー?めっちゃ楽しみッ』『先生と生徒、禁断の恋の予感ッ!!グフッ』
なんで、こう女子って《イケメン》ってワードに反応するんだ…?何がそんなにいいのかわからない…。女子の気持ちが理解出来ない…。
クラスメイトが次々と教室を出て行く。家に帰る人、部室に向かう人、バイト先へと急いで向かう人…。みんな放課後の過ごし方は、それぞれだ。自分の荷物をまとめていると影宮くんが来た。
『なぁ、柳田。俺も何か手伝うか?』
『あ、影宮くん。わざわざありがと。でもノート提出しに行くだけだし大丈夫だよ。』
『そうか、じゃあ今日は先帰るわ』
『うん、また明日ね』
俺は教卓の上に乗せられた課題約40人分の提出ノートを両手で持ち上げ、廊下へ出て職員室へ向かった。
誰もいない廊下。昼間とは違った落ち着く雰囲気を感じる。時間は夕方。
廊下の窓から見える夕日は、とても大きく綺麗だった。
光が窓から入り廊下、教室の中、窓、階段…。学校全体を、その綺麗な光でオレンジ色に染めている。その風景は、とても幻想的だった。
『ちょー綺麗……今、この場に京佑がいたらきっと写真撮りまくってるなぁ、すげぇ綺麗に。
《ベストショットやッ》とか呟いて…w あっ、こんな所でのんびりしてる暇ないッ』
俺はノートを落とさないようにしながら急いで階段を登り、沢ちゃん先生のいる職員室へ向かった。
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