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イメージギャップとは
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…………コンコンコン………
ドアをノックをし、職員室に入る。
『失礼しまーす、』
『おー、柳田お疲れさーん。
みんなのノートそこ置いといてくれる?』
言われるがまま、机の上にノートをドサッと置く。
『ここでいいですか?じゃ、俺帰りますね』
沢ちゃん先生に背を向け職員室を出ようとした時、Yシャツの裾をクイッと捕まれた。振り向くと沢ちゃん先生は机について、顎に手をつけてニヤニヤしていた。
『まぁまぁ、そんな早く帰ろうとすんなよー。先生とお喋りしていかない?』
『………ッな、何ですか…?』
『影宮と最近どうだ?上手くやってるか?』
影宮くんの事で何か聞いてくる、という事はだいたい予想していたが…。
『あ、はい。上手く…?やってると思います。先週の3連休の時に俺を含んだ他クラスの男5人で影宮くんの家に泊まらせてもらって勉強会したんです。テスト近いですし』
『………えッ…泊まって…?3日間…?他クラスの連中…………?』
沢ちゃん先生が手に持っていたボールペンを落とし口元からコーヒーを垂らしながら唖然としている。
俺は床に落ちたボールペンを拾うと沢ちゃん先生の手の上に乗せ、力の入っていない手にグッと握らせた。
『…沢ちゃん先生、ボールペン落としましたよ。しかも口!口閉じて!コーヒー流れてます!どーしたんですか、そんなに驚いて』
沢ちゃん先生は口…?、とハッとして服の袖で口元のコーヒーを拭った。
これだから、いつになっても独身のままなんだよ…………。
沢ちゃん先生が口を開いた。
『だって、あの影宮だぞ?!あいつがお前以外のクラスメイトとだって話してる所見た事ないのにッ?!だ、大丈夫だったのか、?!』
『え?あ、 はい。大丈夫でしたよ?普通に友達になってました。そいつら、いい奴ばっかだからたぶん影宮くんもすぐに仲良くなれたんだと思います。』
『そッ……そう…なのか…。そりゃ良かった。
あたしも影宮とはコミュニケーションをとりたいと思ってだな。あたしは一応、あんたらの担任だしな。知ってる事はなんでも言ってほしい。頼む、』
『んーーー…そーですねぇ……
あ、影宮くんは料理が得意です!ご飯作ってくれたんですけど、めっちゃ美味かったです! あとは動物が大好きですね、猫2匹飼ってますよ。あとすごい優しい』
『動物好きだったのか……これがイメージギャップってやつか…。顔の怖い不良が実は優しくて動物好き、、これよくある奴だよな!女子が好きなパターンだ!』
よくあるのか……?、と疑問を持ったが一応はぁ…、と相槌をうっておいた。
『他は何かあったか?3連休のうちに』
((あとは………………何かあったっけ…?………………あッ。))
確かに、あった事はあった。でも……流石に影宮くんを押し倒した、なんて言えない!絶対言えない、死んでも言えないッ…!!
『あとは、とッ、特にないです、はい』
『そうかー、残念。わかった、情報提供ありがとな。帰っていいぞ、お疲れー』
『はい、失礼しました』
俺はドキドキしながら職員室を出て、そのまま体育館へと向かった。
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