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目を覚ましたのは知らない天井。
いつもと違うベッドの上。
ここが病院だってすぐにはわからなかった。
「……。」
重みを感じた隣には左手首に包帯を巻いたカラ松兄さんが眠っていた。
昨晩あんなに怖かったのに、今はカラ松兄さんが側にいてほっとしている自分がいる。
カラ松兄さんがどんなに怖くても嫌いに慣れないのが僕の愛なのかなって。
自分で馬鹿みたいだよね。
「…ん……ぇあ?」
だらしないカラ松兄さん。
変な声を出して起きた。
「おはよう。カラ松兄さん。」
「と、トド松!!!」
カラ松兄さんは焦っているのか動揺しているのかそれもいつもの癖なのかオロオロしてる。
そんなカラ松兄さんがなんだかやっぱり可愛く見えて。
「と…トド松!だ、大丈夫なのか?その…息とか!苦しくないか!?」
「カラ松兄さん声大きい。ここ、病院でしょ?」
「あ、あぁ。そうだった。」
「カラ松兄さんこそ。左の手首は…?」
普通に話せてる自分に自分で驚く。
僕はカラ松兄さんが好きだから。あんなの見ちゃってもへっちゃらなのかな?
「あ、え?あぁ。大丈夫だ。…かっこいいだろ?」
なんてドヤ顔で言うカラ松兄さん。
あ、いつものカラ松兄さんだ。
不思議と涙が溢れてくる。
昨日の光景を思い出す。
「よかっ…たっ…ヒック…カラ松兄さん……どこにもいってないっ…ヒック……カラ松兄さんの馬鹿!!!もう2度とあんなことしないでよね!!」
「トド松。」
今日は振り払わなかった。
突然抱きついてきたカラ松兄さんを手を。
体を押し返す事もなかった。
「悪かった。お前を不安にさせてたんだよな。」
「ほんとだよ!…カラ松兄さんのばーか!!ばーか!!!…うっ…うわぁぁぁん。」
僕はその場で号泣しちゃって、その後すぐに入ってきた他の兄弟が慌ててるのを見て、僕の涙は次第に笑顔へと変わっていった。
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