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クリーム事件
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「ミネ」
また名前を呼ばれた。慣れてなくて、ドキリとする。
「ん?」
「こっちみろ」
食べるのに夢中になっていた俺はそう言われて顔を上げる。
急にタツの手が伸びてきて、びっくりして固まっていたら、親指が唇に触れた。
するすると口端までなぞっていく感覚にぞわりとする。
敏感なところだけに、感覚が研ぎ澄まされて、熱を帯びる。
「クリーム、ついてた」
「そ、か」
ドキドキと心臓がなって、口からとび出そう。それだけ発するのが精一杯だった。
「あ、ティッシュ」
タツの指に着いたクリームを拭くためにティッシュを探すけど見当たらない。
「口開けろ」
「えっ」
「舌、だして」
唐突に言われて何だかよくわらなくて、とりあえず言うことを聞いてみる。
そしたら親指を舌に押し付けられた。
突然のことに半分パニックだ。
「へ、あ」
「あまい?」
「あ、ふぅあ、まひ」
「何言ってるかわかんねえ」
あまい、と言いたかったけど親指を突っ込まれたままだとちゃんと言えなかった。
けど、タツは何故か笑ってる。たぶん俺がマヌケなのが面白いんだと思う。ちょっと酷い。
「……いいな」
ぼそり、とタツが言う。
何も良くないんだけど。
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