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嫌われる理由
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電車が学校の最寄り駅に近づく。
まだタツと一緒に居たいけど、タツの通う高校はまだまだ先の駅にあるから俺の方が先に降りなきゃいけない。
「俺もタツと遊びたいな」
「ぜってぇ嫌だ」
「なんで」
「うぜぇから」
「なんで」
「めんどくせぇなお前…」
タツがはぁ、とため息をつく。
なんでタツはそんなに俺を嫌うんだろう。
確かに俺がうざくて面倒な性格なのは分かってるけどでも他の皆はタツほど俺を嫌わない。
俺はタツが大好きなのに。なんでタツは俺を好きになってくれないんだろう。
そんなに面倒臭い性格が駄目なんだろうか。
でも治そうと思ってもどうしても直せない。というか、タツの前じゃそのウザさが増してる気がする。
駄目だ、タツに絡みたくてしょうがなくて、ウザくなってしまうからだ。
だいたい、タツだって少しくらい歩み寄ってくれてもいいじゃないか。
自分だけが頑張ってタツと仲良くしようとしてるのが、なんか惨めに思える。
そう思うと悲しくて、それ以上にムカムカする。
「俺が面倒臭い性格だからタツは俺を嫌いなの?」
「はぁ?」
勢いのまま口走ると、素っ頓狂な声が上から降ってきた。
あれ、それが理由じゃないのか。
じゃあタツは俺の何が嫌いなんだろう。
タツは物凄く呆れたような顔で俺を見る。
「おまえさ……」
タツがそう言いかけかたところで丁度、電車が俺の降りる駅で止まる。
でも今降りたら続きが聞けない。
どうせ早めに出てるんだしちょっとくらい乗り過ごしてもいいか。
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