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☆バレンタイン☆ 4
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出ていった2人の背中を見送った。
「相変わらず、ラブラブな事で」
「熱いわよね~!」
咲は、そんな2人を羨ましく思う。
「羨ましいです…」
「なーに言ってんの?咲ちゃんだって、愁くんとラブラブじゃない!」
「う、うん…」
手元がもたつく。
我ながら不器用すぎる。
「出来た…!」
蝶々リボンをして、ラッピングが完成した。
茉莉が帰ってきた。
「どうして、颯人がここにいたんだ?」
顔は嬉しそうにしながらも、首を傾げている。
「あ…たぶん、僕が生徒に囲まれて身動きが出来なかったからです」
「絡まれた?」
茉莉が、最後の仕上げの粉砂糖をふるいながら言う。
「あの、『姫へのチョコ渡し』したいって…。でも颯人先輩が駄目だって言って」
「去年の"姫もどき"だと、そんな事は無かったんだが、咲だとそうなるんだよな~」
「咲ちゃん、可愛いからねぇ」
「そ、そんな事ないです!」
「『姫へのチョコ渡し』は止めないと、すごいことになりそうだし混乱して、大変なことになるからなぁ…」
「そうよね~」
「もしかしたら生徒も先生も、渡しかねないものね」
咲以外が、うんうんと首を大きく動かし頷いた。
そんな中、愁が食堂の入り口に姿を見せた。
「お!愁、来たのか」
「おはようございます」
「「「「おはよう」」」」
時計を見ると、約束の時間になっていた。
「…邪魔者は」
「退散しますから」
「ごゆっくり~」
「でも!時間になったら、生徒会に来いよ」
松子、竹子、梅子、そして茉莉が言う。
茉莉は出来上がったケーキを箱に入れて、食堂を後にした。
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