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Act.14 スキニーパンツ
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「無理です……こんな格好で帰れません」
たとえ隣でも嫌です。こんな格好で外に出るのは。夜風に吹かれたら……泣いてしまいそうです。
「そうか、うーん。可愛いと思うけどね。じゃあ、ユズに服は持ってこさせればいいか」
えっと?この格好でオミさんの家……何かいろいろと地雷踏みそうです。でもこの格好で帰るのも危険な気がします。
「オミさん、何でも良いので下に履くもの貸してください」
「うーん?下か……」
ハーフパンツとか誰でも1枚くらいは持ってるはずですよね、そう思っていたのですが……。
オミさんはクローゼットから黒いパンツを出してきてくれました。
「これ、ロールアップして履いて」
「ありがとうございます」
と、受け取りましたが……え?
「これスキニーパンツですよね?」
ぴったりしたシルエットパンツで、さらに素材はビニールっぽいものです。
これ素肌にとか……こんな細いシルエットのパンツ…下着もつけずに履くなんて無理です。
「さすがに、下着は貸してはもらえないですよね……」
おずおずと聞いてみる。
「さあ?新しいのあったかなあ?」
くすくす笑いがずっと聞こえています。絶対にからかわれているのでしょう。
ピンポーン♪
その時、インターフォンが鳴りました。ああ、香月さんですね絶対。だってお醤油借りてきてって言われてからもう時間が経ちすぎていますから。
「はい?あ、ユズ?」
ええええっ。先にそっちですか?先に僕の下着を、せめて何か下に履かないととんでもない絵面です!
「お、オミさんっ。先に下着っ!下着をくださいっ!」
「どうしようっかなあ……ユズに見られるの嫌?」
「嫌です!」
「じゃあ、仕方ない。ちょっと待ってて」
僕を寝室に引っ張って行くと、下着をぽんと投げてよこしてドアを閉めてくれました。
良かった!オミさんも優しいところああるんですね、ほっとしました。
手探りで壁のライトのスイッチを探してつけました。
え……この部屋のライト……なんで淡いピンク色なのでしょう?見渡すとベットシーツが赤!赤いです。
どんな趣味でしょうか?いえ、気にしてはいけません。関係ありませんから。早く下着つけなきゃいけません。袋から新しい下着を取り出しました。
部屋の外から複数の足音が!
「将生!大丈夫か?どこ?どこに居る?」
返事はまだできませんっ!
「兄貴、将生どこ?」
「さあ?どこでしょうね?」
ガタガタと音がします。早く履かなきゃ。慌てて下着を身につけて……。
「ええっ⁉︎」
思わず大きな声が出てしまいました。
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