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【恋人になる前の話】③
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裏口の戸を開ける。
音が鳴らないようにゆっくりと戸を閉めると、足音がしないようにそっと歩き始めた。
街灯の有る道ではなく、屋敷の庭にを歩く今でも明るく感じる。
チラッと空を見上げると、大きな丸い物体が、菊比古を照らしていた。今宵は満月のようだ。
不思議と鼓動は落ち着いている。
大きな屋敷の母屋の奥。
人が一人だけ通れるくらいあいている雨戸の前で草履を脱ぐ。
脱いだ草履を手に持ち、音が立たないように注意しながら縁側に足をのせる。
ひとつだけ大きく深呼吸をしてから、膝をつき、襖に手をかけ、小さな声で、しかし部屋の中の人には聞こえる声で呼びかける。
「三楽師匠。菊比古でございます。」
「・・・入りなさい。」
その言葉に従い、襖を開け、部屋に入ると、しっかりと襖を閉じてから、三楽師匠のそばに座った。
「この度は、うちの馬鹿が申し訳ありませんでした。」
「しっかりしてもらわんと、困るよ。・・・まぁ、困るのはわしらじゃなくて、お前さんがただがなぁ」
ニヤリと笑いながら、帯の上に乗る腹をなでる。
三楽師匠は、助六の日頃のだらしなさを理由に助六の真打ちへの昇格を認めようとしない師匠のひとりだ。
落語の世界で上の方にいる三楽師匠の発言力は大きい。
「はい。充分理解しております。・・・ご迷惑とご心配をおかけしたお詫びといってはなんですが、奉仕させてください。」
そう言って、すっと頭を下げる。
「・・・奉仕、してもらおうか。人の好意を無駄にしちまうのは、何分、性に合わないからよ。」
幾度となく聞いたこの台詞を、菊比古は一文字も間違えるのとなく繰り返せる。
「顔上げな。・・・もっと近くに来い。」
「・・・失礼します。」
近くに寄ってきた菊比古の何の感情も抱いていない瞳を見て、フンと鼻を鳴らす。
流れるような動作で三楽師匠の衽に手を入れてはだけさせ、まだ反応していない三楽師匠のそれを、褌の上からそっと擦り始める。
むくむくと反応したのを確認してから、褌の結び目を解き、下に引っ張ると、緩く勃ちあがったそれは、ひょっこりと顔を出した。
菊比古は迷わず亀頭に舌を這わせる。
そして、チロチロと小刻みに舐めてから、裏筋を大きく舐めあげる。
勢いを増して出てきた我慢汁を吸い上げるために咥えると、わざと卑猥な音をたてて尿道の中まで綺麗に吸い取る。
「んっ………んぅ………ん……」
三楽師匠の大きな手が、菊比古の顔におちてきた髪を耳にかけた。
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