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日記
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──篠宮の記憶を奪ったストレスとは、いったい何なのだろうか。
どうして太陽は、篠宮と仲良さそうにしているのだろう
か。
篠宮の病室から戻ってきてから、俺はずっと考え込んでいた。
昼頃、ようやく病院から戻ってきた太陽が申し訳なさそうに頼みごとをしてきた。
「悪いけど、紗智の荷物まとめるの手伝ってくれないか?しばらく入院することになって、俺が荷物持ってってやろうと思ったんだけど、叔父さ……理事長が、本人のいない部屋に勝手に入るなって……。生徒会の付き添いがあればいいらしいから、お願い!」
正直、面倒くさかったが、太陽の頼みを断るわけにはいかない。
始めて見る篠宮の部屋のリビングは、備え付けのテーブルとソファーがあるだけの生活感のない部屋だった。
人数の関係で二人部屋を一人で使っているんだから、もっと私物がごちゃごちゃ置いてあると思っていたのだが、他の親衛隊の奴等のような可愛らしい小物や高そうな家具などは全くない。
予想と違う部屋の様子に少し驚きながらも、早速クローゼットの服を鞄に詰め込み始めた太陽にリビングを任せ、寝室へ向かうことにした。
やはり殺風景な寝室の中に入り、勉強道具を適当に鞄の中に入れる。
記憶を失って勉強ができるのか、と思ったがそういうことは覚えているらしく、以外にも成績がいいという篠宮は入院中に勉強がしたいと言っているらしい。
机の上の物を粗方鞄に入れ終え、引き出しを開けると、そこには一冊のシンプルなノートがあった。
開いてみると、綺麗な字で日付が書いてあった。
どうやら日記のようだ。
人の日記を勝手に読んではいけないだろう、と思い元の場所に戻そうとしたが、好奇心に負け、もう一度最初のページを開いた。
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