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蔵本湊 10 (修正済)
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数秒間見つめていた僕らだけど、
小澤君の方から目を離される。
うう……、なんか寂しいよ……。
いつもならニコッとか笑ったり、
変な顔して僕を笑わせてくれたりしていたのを
ふと思い出す。
僕って結構小澤君の行動が好きと自覚する一方、
あのカフェ以来、話していないことに不安になった。
といってもそんな話す機会なんて
もともとなかったし、
というよりもいつも小澤君から話しかけて
……きてない。
はっとそこで気付く。
そもそも僕と小澤君の関係ってなんだ?
ただいつも下校を一緒に……
ん?あれはしてるっていうのかな?
僕の後ろをこそこそとついてくる小澤君。
それを僕は気付いて声を掛けて
注意するといったその繰り返し。
……よくわからない。
考えれば考えるほどわからなくなる。
何この中途半端な関係。
僕も小澤君もそれは中途半端に接しているからだ。
はっきりしなきゃと思うことは思うんだけど、
今更って感じる。
それに僕の気持ちも僕自身わかってないような……?
「みーくん……?」
桐野さんが心配そうにまた見てる。
ううっ、ごめん、桐野さん……と目で訴えながら
首を横に振る。
『大丈夫』って伝えるように。
ずっとうじうじしちゃう優柔不断の僕を許してねと
心の中で少し謝って、もう一度僕は小澤君を見た。
ちょうど小澤君も僕の方を見てて目がまた合う。
いつもは小澤君がにこってしてくるけど、
それは今日はなかったから
今回は僕からしてあげた。
すると、驚いたように目を見開いて、
僕を見るが、
すぐに笑い返してくれた。
……うん、嫌われてないみたい。
ほっと息をついていると、
僕は先輩からお呼び出しで、
ちょっと名残惜しいけど
にこにこと笑い合いながら
見つめる時間を終えて
山川先輩の方へ行った。
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