アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
蔵本湊 22 (修正済)
-
放課後。
僕は、小澤君と会議室に向かっている。
隣をただ歩いているだけなのに、
ドキドキしてる胸が煩くて、痛い。
僕より上にある小澤君の横顔を盗み見ると、改めて整った顔に驚く。
こんなかっこいい人が僕を追いかけてくれていたなんて
今でも信じられない。
好意っていうのは恐ろしいと思う。
誰かに好意を向けられているというだけで
うれしくなってしまって、ついついその人を追いかけてしまう。
多かれ少なかれ僕は彼に恋愛感情を抱いていることは
どうやらもう嘘はつけず、誤魔化しも効かないようだなと
今の僕に小さく苦笑しながら綺麗な彼の横顔をまた見つめた。
何度も見ていたことに気付かれたのか、
「……何、どうしたの?」
クスッと笑いながら目だけを僕のほうに
動かして聞いてくる。
たいして意味もなかったし、
じっと見つめたいたことに本人に気づかれると
なんとなく恥ずかしい。
「あ、いや…その…っ。
お、小澤君って近くで見ると、かっこいいよね」
変に言い訳するのもおかしいなと思って
恥ずかしかったけれど、
思っていることを口にした。
すると、予想外だったみたいで
小澤君の目が見開かれて
顔が赤くなっていく。
「…そうかな、普通だよ」
照れくさそうに目を外す彼が
なんだか可愛くて
あああ、すきってなる。
なんか今なら言えそうな気がするけれど、
まだ自信ないなと思って
好きっていう言葉を胸の奥にしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
27 / 83