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不安と唇と空我
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PCに撮された写真を見て俺達は驚いた。
ハルと空我が笑っていて、俺は笑われて少し
顔がムッとしている姿の写真だった。
とても楽しそうな雰囲気が伝わってくる。
「小田さんすげぇな」
ハルが笑いながら言った。
「そりゃー、プロ目指してますからね」
小田さんがドヤ顔で言ってきた。
空我は、興味がなくなったのか、
暇そうな顔をしている。
俺は小田さんが撮った写真をずっと見ている。
とても、いい写真だと思った。
だけど…
ハルと空我と並んだら俺浮いてないか…?
俺は不安になった。
小田さんが撮った写真は素晴らしいし、
ハルと空我もモデル顔向けの表情や
立ちこなしだ。
だけど俺は邪魔になってないか?
俺がそんな事を思って
顔を下に向けていると、
小田さんが俺の頭を掴んできた。
「どうした?僕の写真気に入らないかい?」
小田さんが俺の顔を覗き込んできた。
「いや、気に入ってます!凄いですよ!」
俺は顔を上げて言った。
すると、小田さんの顔が思った以上に近くて、
俺の唇が小田さんの鼻に当たった。
「……」
小田さんも驚いた顔をしている。
そして、俺はゆっくり唇を離して、
ようやく状況がわかった。
「あ、すいません!」
俺は恥ずかしくなって、小田さんから離れて
頭を下げて謝罪した。
「……」
小田さんは無言のまま俺を見た。
ハルも空我も俺の方を見て
驚いた顔をしている。
恥っずかしい…!
「ぷっ、ははははww」
小田さんがお腹を抱えて笑い出した。
俺は不思議に思い、顔を上げた。
「本当に可愛いね君はw」
小田さんは口を大きく広げて言ってきた。
「えっと、小田さん、すいません、顔が思ったよ
り近くて」
俺は、顔を赤くしてまた謝った。
「いや大丈夫だよ、千早君や海乃君だったら許さ
んけど君なら大歓迎だよw」
小田さんは笑顔で言った。
大歓迎って……
「ちょっと小田さん!俺や空我だったら許さな
いってひどくない!?ってか小田さん、花ちゃ
んに何してんの!?」
ハルが驚いた顔をして言ってきた。
俺はハルに、小田さんは悪くないよっと
ハルに言った。
すると、ハルは小田さんを見た。
「いや、この人は絶対計算していた…」
ハルが小田さんに意味のわからない事を
睨みながら言った。
小田さんは、ハルを無視して上機嫌で
次の撮影の準備をしだした。
「シカトしやがって…てか花ちゃんも気おつけて
よ!」
っとハルは俺の肩を掴んで言った。
俺は驚いて首を縦にふった。
なんでハルこんなに一生懸命なんだ…?
すると、ハルが視線を空我の方にずらした。
そしてハルは青ざめた顔をした。
「どうした?」
俺はそう思い、ハルが見ている方を見た。
そして、俺はハルと同じ反応をした。
固まったまま俺とハルは動けなかった。
なぜなら、空我が黒い。
ってか、怖い。
「く、空我?」
ハルが恐る恐る空我に話しかけた。
すると、空我は返事もせず、
すぐそこにある椅子を蹴った。
ガタッ!
俺とハルは驚いてビクッとなった。
そして、何も喋らないまま
撮影所から出ていった。
いきなりどうしたんだ空我を奴…?
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