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「おーい!ブラシしてるやつら早く戻ってこい!」
監督がでかい声で俺たちを呼ぶ。
「はい!」
返事をして、急いで監督の元へ走った。
上園中央は、主に中学生から高校生までが所属しているチームであり、俺たちが住む地区では1番戦力のあるチームだった。
監督が今日の反省やら次の練習日の日程やらを話している。整列したユニホームは、みんな泥で汚れていた。
「挨拶したら菜田と一ノ瀬来い」
「「はい」」
声を揃えて返事をする。なんだろう…
『ありがとうございました!』
みんなでかい声で挨拶して、帽子をかぶりエナメルを背負って帰っていく。
聖真は無言で立っていた。
「菜田…お前に、東京の名門校から野球推薦のスカウトが来ている」
「えっ」
声をあげたのは聖真ではなく俺だった。聖真はさっきから無言で直立している。特に驚いた様子もない。
「お前の球なら東京…いや全国でも通用すると思う。」
それは俺も同意だった。だけど…コイツの球を取れるのは…いや、取るのは俺だけだと信じていた。
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