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変化 ~友綺~
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─さっき春也に彼女がいると言われた。
初めは嘘やろうと思った。
いや、嘘なんやと信じたかった。
でも…春也の様子を見ている限りでは嘘なんて言っているようには見えへんかった。
ていうか、頭が混乱して、あれが春也やとは思えんかった。
─春也があんな冷たい目をするなんて知らんかった。
いや……それだけやないな──…
春也があんなにおおきくなってんのも、大人っぽくなった顔も、低くなった声も………何も知らんかった。
─見た目でもかなり変わってんやから、そりゃ内面的な変化もあるよな…。
実際、俺もかなり変わったしな……
そう思うと、さっきまでのやり取りが急に現実味を帯びてきた。
「…は…るや─……」
俺はそう呟いて道路に座り込む。
駅が近いために人がジロジロと俺を見てる。
「っ─…」
それがより俺を惨めにした。
─どんどんどんどん涙が溢れてく。
止まれへん。
でも、ここにおったらまた春也に会ってまう……
──嫌や─…
昨日までは会いたくて会いたくて仕方なかった人に、今はもう絶対に会いたくない。
それくらい胸が苦しい。辛い。
「………アホらし─…」
俺は涙を拭って立ち上がり、グッと空を睨んで気合いを入れる。
でも……
こんな時に限って空は青くて─…
まるであの時と変わってへんように見えた───…
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