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「はーいっ1年生〜そこまで、よっ!」
上から声が聞こえたかと思ったら目の前の1年生の上に誰かが落ちてきた。
「有沢!大丈夫?」
「しーちゃん...!」
その後に続き上から羽山くんも降りてきた。
けど、1年生の2人にはまだ体力が有り余ってて平然と羽山くんとしーちゃんを押しのけ蹴り飛ばした。
「羽山さんじゃないっすか!今朝はどーもっ!」
「1年坊主...お前汚ねぇ事してんじゃねぇぞ?」
突然しーちゃんと羽山くんの表情がまるで鬼の形相に変わった。
「わぁおっ...こわっw」
「でも先輩たちはそう来なきゃ意味ないっすよw」
1年生2人がそう言うとしーちゃんが鼻で小さく笑い
「そんな言えんのここまでだよ?」
呆れたように言った。
次の瞬間
1年生2人の後ろのドアが突然大きく穴が空いた。
ドゴンっ!!
鈍い音がしたと思ったら壁ごと崩れ、その奥からやって来たのは
「屋久、土......さんっ?」
教室にいた時以上に恐ろしい顔の屋久土さんが現れた。
「げっ...なんで暴れ熊がここにっ」
「あ"ぁ"?関係ねぇだろクソガキ?」
屋久土さんはそう言って鉄パイプと木製バットを取り上げ1年生2人に殴りかかった。
屋久土さんの威力は強くて、2人はすぐにダウンした。
それでも屋久土さんは殴り続けてて、それを止めようとしない羽山くんと平然と僕の手首に巻かれたテープを取るしーちゃん。
「泰樹〜撤収」
しーちゃんが声をかけると屋久土さんは手を止めて舌打ちをした。1年生2人まとめて個室の一角に投げ捨てた。
「大丈夫?有沢」
「だ、大丈夫...っ」
怖くて何も言えないけど、精一杯笑顔でそう言うと
「んー...その状態から行くと大丈夫じゃねぇな?」
羽山くんもしーちゃんも呆れ顔になった。
「へっ?」
「有沢」
声をかけられたと思い横を見ると屋久土さんが居て、さっきの恐ろしい面影が消えて、優しい表情になっていた。
「屋久土さ」
名前を言おうとしたら、屋久土さんに頬を撫でられた。
「大丈夫か?」
小さく頷いて精一杯の笑顔を作ると
「無理に笑うな」
小さな声で言われた。でもそれでも優しくて
「怖かったか?」
「......はいっ」
「...よく頑張ったな、有沢」
「屋久土、さ...ん」
優しい声が心に響いて、僕は泣かずには居られなくて屋久土さんに飛びついた。
「屋久土...さ、んっ...屋久、土...さんっ」
「もう大丈夫だ」
泣いてる間ずっと屋久土さんは俺を抱きしめながら、背中をポンポンしてくれて、それだけでも涙は止まらなかった。
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