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翔side
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俺が目を覚ましたのは2週間が経った頃だった
俺が目を覚ますとトーマと紺兄ちゃんがいた
翔「んっ……あれ……ここ…は」
冬「翔!」
紺「俺、下に行ってみんなに伝えてくる」
翔「と…ま?」
冬「そうだよ。トーマだよ。分かる?翔大丈夫?」
翔「なんでトーマ…が…ってか、ここどこ」
冬「ここは俺の家だよ。この部屋は客間だよ」
翔「そっか…」
なんで俺はトーマの家に居るんだろ
遊びに来て寝ちゃったのかな
でも、寝たならトーマの部屋で寝てるはずなのにな
バンッ!
「翔君!やっと起きたのね。良かったわ。体は大丈夫?気分は悪くないかしら?」
冬「母さん、早口で聞きすぎだよ。気持ちは分かるけどさ」
翔「大丈夫です。俺、どのくらい寝てたんですか」
冬「2週間くらいだよ」
翔「そっか…迷惑かけちゃったね。母さんたちも心配してるだろうし帰らないと」
俺が話し終えた瞬間
トーマや紺兄ちゃん、トーマのお母さんにお父さんの動きが止まったように見えた
何だ?何か良くないこと言ったか?
冬「翔…その…」
翔「何?どうしたの?」
紺「覚えてないのか?」
翔「覚えてない?俺、何か忘れてるの?」
「翔君。お腹すいたでしょ。お話もいいけどまずはご飯食べましょう。翔君のお母さんにもお願いされてるから」
翔「?はい。ありがとうございます」
トーマと紺兄ちゃんの態度がおかしかったのが気になったけど俺はみんなと一緒にご飯を食べた
それから風呂に入ったりトーマの家でのんびりと過ごさせてもらって今はテレビを見ている
「翔君?リンゴ食べる?私食べたくなっちゃったんだけど付き合ってくれないかしら?」
翔「はい。頂きます」
「待ってね。今、剥くわね。あ、冬真と紺呼んできて貰える?」
翔「はい」
俺はトーマと紺兄ちゃんを呼びに行って、トーマのお母さんが剥いてくれたリンゴを食べてた
俺は世話になりっぱなしだったから皿洗いでもしようと台所に向い皿洗いをして、ついでだったから生板と包丁も洗っていた
俺は日頃から母さんの手伝いとかしてるから包丁を洗うのも慣れてるんだけど、久しぶりに少しだけ指を切ってしまった
翔「いっ…」
少しの痛みにびっくりして俺は包丁を流しの中に落としてしまった
俺の指から少しだけ血が流れた
血?包丁?血、包丁、血、包丁……
俺はなぜか血と包丁を交互に見てしまう
だんだん足が震えてきて立っていられなくなった
そして、呼吸も荒くなっていく
翔「はぁ…はぁ…はぁ…はぁ…」
なんで、いきなりこんな状態になるんだよ
なんでなんでなんで…
翔「はぁ…はぁ…ひゅっ…はぁ…」
俺は目を固く閉じた
少しでも落ち着きたくて固く閉じたんだ
でも、その瞬間色んな光景が浮かんできた
母さんが刺され血が溢れ出る瞬間
母さんが俺と父さんに最後の力を振り絞ってでも伝えたかった言葉
何度呼んでも返事をしない母さん
そんな母さんを頼むと言った父さんの姿
拳銃を向けられ弾がゆっくり飛んでくる
その時の父さんの声
俺を庇って撃たれた父さんの血が飛び散る瞬間
父さんが俺に言った最後の言葉
その日何があったのか全ての光景が浮かんできた
翔「はぁ…はぁ…はぁ…とう…さん…かあ…さん……おれ……お…れ………うわぁぁぁぁぁ!!!!!あ"あ"ぁぁぁぁ!!!!はぁ…はぁ…はぁ……」
冬「翔、どうした!大丈夫か!翔!」
翔「はぁ…はぁ…ひゅっ…はぁ…と…ま…とう…さん…も…かあ…さん…も…死んだ…んだ…ね…」
冬「お前!思い出したのか!!!」
翔「はぁ…はぁ…はぁ…」
冬「大丈夫大丈夫。お前は1人じゃない。俺がずっと隣にいる。ずっと居るから。今はゆっくり休みな。大丈夫だから。起きたら話そうな。翔」
トーマの言葉を聞いた時少し体が軽くなった気がした
俺はまた意識を失った
冬「チッ!なんでこのタイミングで思い出すんだよ!指切ったのか?包丁で?…これか!クッソ!また守れなかった。翔…ちゃんと守るよ。お前のお母さんやお父さんみたいに」
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