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「…そこ、座って」
部屋の中に入ると、一瞬気まずい空気が流れた。しかしここで怯んでいるわけにもいかない。
荒太をソファーに促すと、思いの外素直に従った。俺もその横に腰掛ける。
「美優のことは、本当に何でもないから。今日はサークルの飲み会だったけど、アイツがフミ先輩に頼み込んだらしくて、割り込んできただけ」
「…そう、なんだ」
「うん。荒太の店に行ったときも最初は3人だったけど、後からフミ先輩が美優のこと呼んじまったんだよ。あの人女の子大好きだから、言い寄られるとすぐデレデレするんだ」
「……うん…」
「ベタベタされるのは俺も嫌いだし、その都度引き剥がしてただろ。俺がそんなん許すの荒太だけだよ」
「………」
だんだんと静かになっていく荒太。比例して赤くなる顔に、照れているのだと気づく。
俯いた表情が見えないのが残念で、下から覗き込んだ。
てっきり「見るな!」なんて怒鳴られるだろうと思っていたのに、まさかの反応に俺の理性がぶち壊される。
「…妬いた……」
ポツリ、零すようにそう言ったかと思うと、そのまま唇を寄せてきた。
「…俺、男だし……ヨウみたいに格好良いわけでもないし、無愛想だし…結局ああいう女の子らしくて、明るくて可愛いのが好きなんだろって、思っ」
ありもしないことをグチャグチャと並べ立てる荒太を強く引き寄せてキスをした。勿論苛立ったからではなく、無茶苦茶に可愛かったから。
いつもとは違って素直なのもたまらない。荒太の表情が見たくなって、口内を犯しながら目を開く。
目をキツく閉じたせいか、涙が滲んで睫毛を濡らしている。紅潮した頰に欲を掻き立てられ、そのままソファに押し倒した。
「俺、荒太のそういういじらしいとこ大好き」
言いながら、啄ばむようなキスを身体に落としていく。
「確かに今日のバイト中の荒太は無愛想だったけど…嫉妬してくれてたとか、可愛すぎだし」
唇から這いおり顎を伝い、白い首筋を堪能する。きめ細やかな肌を労わるように、舐めあげた。
「俺が可愛いと思うのも、こういうことしたいと思うのも、荒太だけだよ」
耳元で囁いて、耳朶を甘噛みする。息を吐くような、震えた細い声に煽られて、舌を耳にねじ込んだ。
「…っ、ぁ…ヨウ、まっ…て……」
「何?荒太が可愛いすぎて、もう限界なんだけど」
身体から唇を離し、顔を見つめる。荒太の顔は赤いままで、少女を思わせた。
キョロキョロと迷ったように視線を動かしていたけど、観念したのか小さな声で呟いた。
「…ベッドがいい……」
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