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「はい、どーぞ。これ新作の試作品。昨日の夜思いついてさ、感想ちょーだい。」
小洒落た皿に乗っけられた色味の綺麗なケーキ。灰里さん目当てで多い女性客が喜びそうな見た目だ。
「いただきます。」
あ、おいしい。
クリームの甘みとフルーツの酸味が絶妙なバランスである。
俺は甘いものが好きだ。生クリームとかチョコとか、自分に似合わないのはよく分かっているのだけど、これはどうしても止められそうにない。
「ふ。荒太って、感想が素直に顔に出るからいいな。」
「…俺、どんな顔してるんですか?」
「幸せだー満足だー!って顔?」
「……表現力の無さが悲しいですね。」
またそんな酷いこと言って、灰里さんおこだよ。なんて言ってる人は無視していい。
「んー、とにかくスイーツ食べてる時の荒太は可愛い。」
「完全にからかってますよね。」
え、そんなこと無い無い~と言う灰里さんは信用出来ないけど、甘いもののお陰で少し元気が出たので許してやろう。
それから灰里さんと暫く駄弁って、ふと時計を見るともうすぐ七時になる頃だった。
灰里さんに別れと礼を告げて店を出る。
そして、ヨウとの約束の場所である居酒屋に向かった。
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