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「………………え?」
ここは何処だ。
目が覚めて第一に思ったことはそれだった。
そして全身の痛みに気付く。特に腰。
この感覚……まさか。
……いや、まさかじゃない。思い出した。
昨日はヨウと呑みに行って、アイツからうまく逃げるつもりだったけど……。
泣きそう。
あの後、灰里さんの店から出て、ヨウと合流した。酔っていないと俺は計画を遂行出来ない、と思ったから結構なペースで酒を体に流し込んだ。
呑みながらヨウは色んな話をするし、質問もしてきた。あまり会話が得意ではないので、答えるのに必死だった。いっぱいいっぱいなのは、多分手に取るように分かっただろう。
変な奴って思われてるかな。挙動不審だったかも。
そんな訳で、慣れない会話をして頭をずっと使っていたから、酒が入ってもあまり酔えなかった。
しかし途中で俺に幸運が舞い降りた。ヨウが席を立ったのだ。
俺は今しかない!と思い、度数の高い酒を、アイツが外に出てすぐ頼んだ。
ウィスキー、それもロックなんて一気するものではないのは重々承知している。
俺は甘い酒も好きだし、辛口なのも好きだ。だから色んな酒を呑んできたけど、こんなことはしたことが無い。
でも普通の俺にはあの計画が実行出来ない。酔わないと。どうにでもなれ、そう思ってグラスを傾けた。
それからだんだん頭がぐわんぐわんと重たくなってきて、ぼーっとした。
元々かなりの量の酒が入っているのにこんな呑み方をして、更に話し相手が居なくなり思考するのを止めてしまった俺がフラフラになるのは簡単なことだった。
すぐ戻ってくると思ったけど、ヨウは話し込んでいるのかなかなか帰ってこない。
なんだろう。
なんか、なんか、楽しい。
さっきは頭が重たかったのに、今はふわふわとしていて、スキップでもしたい気分。
はやく、はやく、戻ってきて、ヨウ。
せっかく、人と、久しぶりに出かけたんだ。
ヨウは、あの日、なんで俺に手を出したの?
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