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side 遙
あああああああ!!!!!
今の俺の頭の中、こんな感じ。
何この生き物。何このツンデレ具合。絶好調ですね。
俺達がいつ付き合ったよ、なんて、唾が飛ぶ勢いで言われた時は本当に焦った。そりゃもう呆然として息するのも忘れた。
まさか、あの、好きって言われた記憶は俺が勝手に捏造したものだったのかと疑いもした。
しかし、話を聞いてみるとそうでは無かった模様。
荒太は荒太なりに色々考えてくれていたみたいだ。そのことも嬉しかったけど、それより何より。
荒太のあの態度……!
話が食い違っていたことが発覚し、幸せでふわふわとした頭が冷静になってきたあの時。きっと、顔つきも冷静なものになっていたはずだ。
荒太は多分、その表情から不穏なものを感じ取ったのだろう。
涙目になって、嫌いにならないで…!と懇願してきたのだった。
なんなんだよ、さっきと百八十度違う態度じゃねぇか。
その、少し怯えたような、悲しむような、必死な表情が可愛くて可愛くて、
そして俺に嫌われたくないという気持ちがひしひしと伝ってきて。
悲しくて、少し怒りさえ湧いていたのに、そんなもの吹き飛んでしまった。
それどころか、「どういう意味か、ちゃんと説明して。」と冷静に言うつもりだったのに、その可愛さにやられてしまって、言葉に詰まった。
デレデレと、ニヤけながら言わなかっただけでもすごいと思う。
そんな、突き放された途端デレられるという攻撃をくらい、ニヤけを抑える俺は、更に追い打ちをかけられた。
「俺は、ヨウのこと…凄く好き、だけど……………」
勿論この先の言葉もしっかりと聞いていた。それはもう一言一句漏らすことなく。
けれど、俺の脳内ではこのワンフレーズが何度も繰り返し再生されている。
きっと荒太は、俺に嫌われたくない、という気持ちから、自分の思いを必死に伝えようとしているだけなのだろう。
その説明の過程に、自分が普段言わないようなことを口にしているという自覚があるのかさえ分からない。
顔を見るのが怖いのか、視線を合わせずに、途切れ途切れ言葉を繋ぐ荒太。
可愛くて、好きで好きで、堪らなくなって、キスをした。
「……っ…は……ぁ…んっ…」
色っぽい吐息が、俺の興奮を増長させ、興奮は高まっていく。
「…ねぇ、俺のこと、凄く好き……なんだ?」
もう一回言わせたくて、唇を離してそう聞いてみた。
「…っっ!いや、その…それは……!」
「………嫌い?」
眉を下げて、わざと悲しむような声で問う。
「………好き………。」
はい来ました俺の恋人サイコー。
頬を赤らめて、上目遣いで俺を見つめてくる荒太は、石油王でさえも簡単に落とせそうなほど可愛い。
ていうか、俺荒太のこと可愛いって言い過ぎな気がする。可愛いから仕方ないけど。
「ん、俺も好き。色々悩ませたみたいでごめん。……付き合おう?」
「……うん………!!」
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