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テーブルの真ん中に鍋を置き、俺の隣にリカちゃん。
その向かいに桃ちゃんと…
「忘れてた。コイツが前に話したもう1人のヤツ」
「美馬 豊だ」
桃ちゃんが絡まなければ美馬さんは礼儀正しく落ち着いているらしい。
ピンと伸びた背筋に男らしく凛々しい眉。
リカちゃんや桃ちゃんと違う男臭い雰囲気の人だ。
「兎丸 慧です」
俺の顔をジッと見て美馬さんは小さく頷いた。
「そうか。君が星一の……あまり似てないな」
フッと優しく笑った美馬さん。きっと星兄ちゃんの事を思い出したんだろう。
「やっぱり?!あたしも思ったの。セイと違って可愛くて癒されるわ。あいつは鬼のようなヤツだったもの」
「鬼…?星兄ちゃんが?」
俺の知ってる星兄ちゃんは鬼とは真逆のような人だ。
鬼と言われて思い浮かぶのは……
「…なんだよ」
間違いなく隣に座るコイツだ。
「別に」
「どうせロクでもねぇ事考えてんだろ。
言っとくけどお前には優しい兄ちゃんでも、俺らにとっては暴君だったからな」
「リカちゃん以上に?」
「っ…お前なぁ…」
ムニッとリカちゃんが俺の頬っぺたを抓る。
「いひゃい…」
「柔らか…。すげぇ触り心地いい」
人の頬っぺたを抓って笑うなんてリカちゃんも十分暴君だ。
「仲いいわねぇ……」
「ああ。リカがこんなに楽しそうなのは何年振りだろうか」
向かいの二人がじっと見ていた事に気付き、リカちゃんは俺から瞬時に離れた。
そして、照れたのを隠すようにビールをグイッと仰ぐ。
「うっせぇ。明日は休みなんだからお前らも飲めよ」
「そんな事言って泊めてくれないくせに」
「布団無いんだから仕方ねぇだろ?真冬に雑魚寝は風邪ひくっつーの」
「…………ならリカはどこで寝てるんだ?」
美馬さんの言葉にリカちゃんは固まり、しまった……という顔をした。
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