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「はぁ」
ベッドの上で1人、ため息をつく。
視界の端に白い物体が映り込んだ。
…さっきまでリカちゃんが使ってた枕だ。
ドアの方を確認して、おずおずとそれに手を伸ばす。
「まだ温かい…」
僅かにリカちゃんの体温が残る枕を抱きしめる。
スンスンと嗅げば、ふんわりシャンプーの匂いがした。
「リカちゃん」
ギュッと枕を握りしめて顔を埋めた。
まるでリカちゃんに抱きついているような気持ちになる。
「リカちゃんも俺のこと、好き、だよな?」
もちろん枕は答えてくれない。
「好き………リカちゃん」
「…………お前枕抱いて人の名前呼んで何してんの?」
「ッな、い、いつからいた?!!」
完全に1人の世界に浸っていた俺はかけられた声に驚き部屋の入口を見る。
そこには開けられたドアにもたれ、こちらを見るリカちゃんがいた。
「今だけど……え、何だよ?」
「なんでもねぇよ!!!」
逃げるように寝室を出る。
「変なヤツ……もしかして、反抗期か?」
後ろでまだ不思議そうにしているリカちゃんの声が聞こえた。
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