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耀菊
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「アイヤー 菊が我の家に来るなんて珍しいあるね」
「何回言うんですか」
もう夜だ。
それなのに今さっき来たように言う。
「だって久しぶりに来てくれたから嬉しいある!おめー全然顔出してくれないから」
「はいはい、良かったですね。私はそろそろおいとまします」
「何あるかその言い方は!今日は泊まっていけばいいあるよ」
遠慮します。と言っても強引に布団が敷いてある所まで連れて行かれた。
「おめーは働きすぎある!ここに来て一緒に月見てても、あーだこーだって呟いてたのを知ってるあるよ!」
「!!勝手に独り言を盗み聞きしないで下さい。あと、こんな時間までいてさぞかし迷惑でしょうし帰り」
「しっかり寝るある」
話を最後まで聞かないのはいつもの事だと諦めて布団に潜った。
しかし睡魔は襲ってこず、眠る気配は感じられない。
「え!?ちょっとなんで貴方も布団に入ってくるんですか!」
「暖かくしたら眠れるかもしれねーからある」
後ろから抱きついてきた。
欧州の人たちから抱かれるのは慣れたが、同じ亜細亜の人から抱かれるのは何か違和感があり、あまり慣れない。
「逆に寝れないです」
「我は寝れるある」
「貴方が寝てどうするんですか」
「…こっち向いてほしいある。おめーの背中なんだか見たくないある…」
ギュッと力が入る。
菊はすぐに理解した。
彼の寂しさは特別な寂しさ。
「…ちょっとだけですよ」
振り向くと耀の顔が明るくなった。
すると顔を近づけ当たりそうになる。
「なんで引くある」
「反射神経で…」
再び顔を近づけるとキスをした。
菊は突然のことで驚いたが特に抵抗することなく受け入れた。
寝てほしいのか寝てほしくないのかよく分からない。
でも彼が寂しがっていたことは分かった。
「仕方ない人ですね…もう少し相手をしましょうか」
菊は微笑んだ。
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