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行ってくるわ…(達実side)
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坂口啓人からの電話を切ったあと、
1度嶺音くんがいる病室に戻った。
嶺音くんの意識はまだ戻らない。
入院当時と変わらずに、
嶺音くんの細い腕へと点滴の管が伸びていて、
口元には酸素マスクが装着されている。
嶺音くんの右手を両手で包み込むように握る。
「嶺音くん、アタシ...行ってくるわね。」
長い間戻って来れない可能性を考えて、
メモを残しておこう。
目覚めたら、連絡して頂戴...と。
そのメモをサイドテーブルの上に置いてから
上着を着て外に出る。
ずっと病室にいたから、少し寒く感じた。
風が俺の頬を撫でるようにして吹いている。
きっと、坂口啓人の目的は俺なんだろうなぁ。
冷静に、いつも通りの喋り方で
隙を作らないようにしないと。
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