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声の限り13
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そして待ちに待った、バレー部入部の日がやって来た。
「集合!!」
茂庭さんの掛け声に、「オス!」と部員の返事が反響する。
「固い話じゃないからリラックスしてくれ」
俺は茂庭さんの隣で立ち尽くしていた。
「転入してきた福永。今日からバレー部の一員になる。挨拶!」
「「よろしくお願いシャス!」」
その中には二口もいて、小さく俺に手を振ってくれた。
俺も小さく振り返す。
二口の隣には、眉毛のない厳つい大男がいた。
しかもこっちをじっと見てる。
「福永、ポジションは?」
不意に聞かれてハッとした。
そしてうつむいた。
また俺は自己紹介の時みたいに、黙り込まなければならない。
その相手が茂庭さんなのが、俺の胸を痛めた。
「福永?どうした?」
茂庭さんは俺を小さく揺すった。
どうしよう。
「茂庭さん!福永はウィングスパイカーですよ」
救いの一言が飛んできた。
二口だ。
「えっ。二口、そうなの?」
「俺前聞いたッスもん。な?福永」
二口はニッと笑った。
声が出ないのを知らないのに、俺をかばってくれた。
すごく嬉しかった。
二口に対する俺の認識が少し変わった。
ありがとうの意も込めて、俺は頷く。
茂庭さんは笑ってみんなに言った。
「じゃあ、福永には今日から練習に加わってもらう。俺は一応練習メニューの説明とかするから外れるけど、そこらへんは笹やんと鎌ちに任せるわ。よろしくね?」
笹やんと鎌ちと呼ばれた2人が胸を張って答えた。
「おう!任せろ!!」
とムキムキ腕捲り。
「茂庭もしっかりやれよー」
とM字前髪。
どうやらこの2人は2年生らしい。
今日から俺の先輩になる人たちだ。
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