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声の限り15
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「二口から聞いたかも知れないけど、うちは“鉄壁”の異名を持つほどブロックが有名だ。だから、ブロック練習には時間をかけてる。もちろん攻撃やレシーブもやるよ。でも、リベロ以外の全員がリードブロックを完璧に習得しなきゃいけないんだ」
茂庭さんは今、体育館の隅で俺に伊達工のバレーを教えてくれている。
ちゃんと聞いてはいるけど、さっきの話が頭から離れない。
大事なことだから2回言うけど、ちゃんと話は聞いてるよ。
うん。
「ブロックはミドルブロッカーの役目じゃない。全員なんだ。ちなみに俺はセッターだけど、ちゃんとブロックの練習してるよ」
説明を続ける茂庭さんは、イキイキしているように思う。
さっきの雰囲気とは大違いだ。
っていうか、茂庭さんセッターだったの?
じゃあなんであんなにアザが…。
「いきなりコミットブロックからリードブロックに切り替えろって言っても難しいだろうけど、二口や青根に教えてもらったら大丈夫だよ。あっ青根ってのは、あの眉毛のない子ね」
あぁ。
あの厳つい大男は青根って言うのか。
俺はコクリと頷いた。
「一通り説明は終わったんだけど、なんか質問ある?」
質問か。
…さっきの話、なんだったんですか。
俺、気になって仕方ないんです。
あとそのアザどうしたんですか。
バレーじゃないんですか。
伝わらないとはわかっていながらも、心のなかでそう訴える。
すると茂庭さんはふぅっとため息をついて、口を開いた。
「さっきの話のこと?まぁ、伊達工の一員になるなら話しておいた方がいいかな。ちょっと重たい話だけど、身構えないでね」
そう言うと、茂庭さんは辛そうに笑った。
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