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突然だが、他人の携帯の中身を勝手に見る奴は無神経だと思う。
過去付き合ってきた彼女の中にも、俺の携帯を盗み見してた子がいたのは知っている。
本人はきっとバレていないと思っていたと思うが、あまりにも反応があからさまだったせいで嫌でも悟ってしまった。
別に見られてまずいことなんて無かったが、罪悪感を抱えてまで見たいと思うものなのだろうか。
「……真緒、お前って奴ははどこまでクズなんだよ。」
「え?なに、なんか言った?」
「人様の携帯を勝手に見る奴はアホだ、って言ってんだよ。」
猫の写真集でも作るのかと言わんばかりの数の写真を真緒に見られ、呆気なく猫を飼い始めたことを白状させられた。
コイツの手グセの悪さは知っていたが、まさか男の携帯なんて見ないだろうと高を括っていたのだ。
第一、俺の知り合いで勝手に他人の携帯を見るようなやつはいないから、特にパスワードを設定していなかったのも原因の一つで。
家にお仕掛けられては面倒だったから隠しておきたかったのに、まさかこんな形でバレてしまうとは思わなかった。
「それにしても、世留に小動物を愛でる心があったんだな〜。真緒くんは嬉しい。」
「余計なお世話だ、」
失礼千万なことを抜かす金髪の頭を拳で殴る。
その後のリアクションがでかくて女子みたいに騒ぐのがまた腹立たしい。
「てか、いま一人暮らしだろ。勝手に猫なんて飼って大丈夫?」
「そりゃあ一応母親に報告はしたよ。勝手にしろってさ。」
「さすがの放任主義だな〜世留ママン。」
国際電話は高いため、家族との連絡はLINEでの一報が殆どだ。
今回も例外ではなく、法律さえ侵さなければ基本的には何をしても放任主義な我が家庭。
『猫?勝手に飼えば?でも家散らかしたら承知しないよ』という極めて簡素な返事が返ってきた。
ちなみに今は父親と一緒にシリコンバレーにいるそうだ。
「てか、俺の携帯どこだよ。」
「わかんなーい。女の子たちに渡しちゃった!」
「バカ、お前…俺の個人情報!」
個人情報の塊を勝手に渡すんじゃねえ!
責任を持って携帯を真緒に取り返させると、アドレス帳に知らない番号がいくつか増えていたのが怖い。
とりあえずそれらに着信拒否設定をし、迅速にパスワードもかけた。
全く……油断も隙もあったものではない。
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