アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
10-5
-
「いてぇー」
そりゃあ痛いよね。
でも。
痛いといいながらオレの頭を撫でてくれる白石さんは、とっても幸せそうな顔をしている。
「いっぱい痕つけれて幸せか?」
こんなに痛そうなのに、笑ってる白石さんってすごい変態さんなんじゃないの……?
「うん、幸せ……だけど。白石さんの方が、すごい幸せそう。オレに噛まれて嬉しいの?痛いの好きなの?白石さんって変態さんなの?」
「嬉しいぜ?痛いのは好きじゃねぇーけど、変態なのは合ってんな」
「なにそれ」
「痛いの嫌なのに、嬉しいの?」
よくわからなくて首を傾げるオレを、白石さんは後ろからぎゅっと抱きしめて耳元で囁く。
「星に愛されてる証拠だから………」
「………んっ」
こんなコト。
他の人にやったら絶対に許さないから。
過去の話聞いただけで、こんなになるのに。
噛んで爪立てるだけじゃ済まない…………。
きっと独占欲って、こういう気持ちの事をいうんだなーってオレは思った。
誰にも渡したくない。
白石さんはオレの。
オレだけのモノ。
言葉だけじゃ伝えられない想いは、どうしたらいいんだろう………。
「白石さん、大好き」
精一杯の想いを込めて、そう言ったオレを白石さんはこれでもかってくらい抱き締めてくれた。
溢れ出る想いとは裏腹に、時間はあっという間に過ぎていって。
もう、白石さんとお別れしなきゃいけない時間になっちゃった。
また明日からは学校で。
白石さんと会えない日々がやってくる。
白石さんはこれからバイトなのに。
わざわざ遠回りして、オレを家まで送り届けてくれる。
寂しい気持ちをぐっと堪えて、白石さんに話しかけた。
「白石さんが乗ってる車って、ビーなんとかなんですね。弘樹が言ってました」
「ああ?……BMWな。俺は本当は国産車に乗りてぇーけど、うち外車専門だからとりあえずこれ乗ってるだけ。BMWってカオがあんまり好きじゃねぇーし、別にそんないいもんじゃねぇーよ?」
「車に顔があるの?」
「正面から見た時に、カオみたいに見えるだろ?コイツのカオってなんかブサイクなんだよなぁ」
そう言いながら片手で運転している白石さん。
いつも煙草を持つもう片方の手は、オレの手をぎゅっと握ってくれていた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
125 / 917