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『初詣行くんですって?』
「あ、はい。だから涼に行けるか聞こうと思って」
『あいつ昴流君の誘いなら何があっても断らないと思うわよ』
俺もそんな気がするけど、急に「初詣行こう」って予定を聞かずに言うのもあれだと思うから一応形だけでも、ね。
「だから涼が起きたら聞いておいてくれーー…」
「すばるー…」
「うわっ?!兄貴ちょ、くすぐったい」
『兄貴?!お兄さん?!お兄さんいるの?!!』
真さんから聞くに、まだ寝ているらしい涼に俺が送ったメールに気づかない可能性もあるので直接聞いてもらうように頼もうとした良いタイミングで兄貴が起きる。
寝惚けているのか、抱き枕のように俺に足を絡めて胸板に顔を埋めてすりすりとしてきて、髪の毛が首に触れてくすぐったくて、「止めてくれ」と頬をぺちぺちと叩く。
真さんは何故か興奮気味で、「彗さん?」と涼の友人でもあるからそれで知ってたのだろう。その兄が兄さんの方の兄かと聞かれ、そっちじゃない兄だと答えると初詣の話から何故か兄貴の質問タイムへと変わる。
名前、年齢、それから性格。仕事に顔が良いかと言うところまで。
あれ、知人に兄弟がいるって知ったときってこんなイベント感覚で盛り上がるようなもんだったっけ。
そして仕舞いには
『私お兄さんと会ってみたい』
…だ。 先までの質問の回答で気に入る部分があったんだろうか。会話すらしたことないのに気に入られた兄貴は今、2度寝しかけてます。
「兄貴シャワー浴びて来なよ。飯作っとくから」
「…今日はオレンジの気分」
「はいはい、オレンジな。剥いとくから」
ここで2度寝されたら昼まで俺は兄貴の抱き枕だ。それは避けたくて「目を覚ましてこい」と頭を撫でながら言うと、モソモソと起き上がってペタペタと足音を鳴らしながら洗面所の方へ向かっていった。これから30分はシャワー浴びたりして戻ってこないだろうから、それまでに朝食を用意しよう。
『家でも昴流君嫁なの?嫁スキル高くない?』
「…えっと、嫁スキルとは」
『そのまんまの意味よ』
嫁らしさ…ってことだろうか、つまり。
兄貴がずぼ…マイペースだから、俺がそういうとこちゃんとしないといけないだけなんだけどなあ。
まあ、それで兄貴が倒れないでいてくれるなら嫁にでも何でもなってやるけど…あれ、これ浮気?もとから家族だけど浮気に入る?
家族はノーカンだよな。うん、涼は特別。
『で、どう??お兄さんと会えそう?』
「多分言えば会ってくれますよ」
『ほんとに!!やった!あっ、私も初詣行けば良いのね。そうしたら昴流君と会えてお兄さんにも会えて…って、まず私も行って大丈夫?』
「まあ、はい。友人とも行くんで友人には俺から言っておきます」
『お友達!!一石二鳥ならぬ一石三鳥ね!』
俺に、愁に、琉生に涼。それから兄貴に真さんにもしかしたら臣も…?初めての組み合わせ。
…なんつーか、すげぇ面子だな。
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