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「あーん可愛い…俺死ぬときは兎に囲まれたい」
「…え、あ、うん」
朝生田の前に置かれた3体の兎とその他のケーキ。それをハイテンションでパシャパシャ写真を撮ってる赤わかめ。思っていた以上に兎への愛が大きすぎて返答に困った。俺は熊のケーキとチーズケーキを1つずつ頼んだだけなのにこいつは兎だけでも3つだぞ?んで、最期は兎と共にしたいと来た。もうお前来世兎になっとけ。
「ふふ…もう俺幸せ。ついてきてくれてありがと狂ちゃん」
撮った写真を眺める朝生田は言葉にしてる通り幸せそうだ。やっぱり、今回の誘いに裏なんかなかったんだとこいつの顔を見て思った。
可愛い可愛いと兎を思う存分愛でた後は、食べる訳だがこんだけ可愛がってんだから食べるの惜しいんだろうなぁ…とか思ってたのにこれは予想外。躊躇いなくフォークが刺さった。
「食べるのもったいないとか言うと思ったのに」
「え、食べるのも可愛がる内だろ?」
「……そうかぁ…?」
良く分からない回答に首を傾げる。食べるのは可愛がるって言うのか?食べたら胃に行くだけで可愛がるって訳ではないような気がするんだが…。
「狂ちゃんも思うことねぇ?…例えば、可愛い奴ほど殺したくなる、とかさ」
「…っ!」
刹那。一気に、空気が変わった。朝生田の目の色が変わり、ビリビリと殺気が肌に刺さる。愁が言っていた。『獲物を狩る奴の目だ』って。今、まさにそれだ。
「俺可愛い子ってこう、ぐちゃぐちゃにして殺したいんだよね」
食べかけのケーキをフォークでひとつきし、柄をぐるぐると円を描くように回す。直感的に、やばいと。こいつから距離をおかないと駄目だと、そう思った。先まで乙女チックな奴だったのに、何なんだこいつ。
「………あー、ごめん狂ちゃん。分かんねぇか。そういう話弱そうだったもんね」
ちらり、と俺の方を見てきた朝生田。それに思わず体を強ばらせると、空気がまた一転。元に戻り、朝生田はケーキを口に運んだ。
「狂ちゃんの前で下ネタ控えるわ。ごめんね」
「…え」
「直球で言えば見て愛でるも良し。"ヤって"愛でるのも良しってことっすよ」
「え、あ……そ、そういう……」
オブラートに包まず説明され、やっと理解。ぐ、ぐちゃぐちゃにってそういう意味で言ったんだな…。マジで何なんだこいつ…。
殺気とヤる気は紙一重ってことか?上手くねぇよ全然。
「ま、これは食べ物なんで。言葉の通り食べることが一番の愛で方じゃないっすか?」
「んー…」
言いたいことは分かった。それも一理ある。が、俺は食べるのがもったいなくなる方だ。実際写真で見るよりも可愛かったせいで食べるのが申し訳なくなってチーズケーキから先に食べてる。
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