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「そういえば…寝ぼけて私の事"兄貴"っていってましたけど…お兄さんいたんですね」
「え、あ…?」
…そんな事俺いってたの?
…やべえ、記憶にねぇぞ。兄貴と似てるとは思ったけど。
クックッ、と笑う椿。
何がおかしいのかと思えば、
「いえね、お兄さんの前だと可愛らしいんだろうな、と思っただけですよ」
「あ?」
「私をお兄さんと勘違いして、ふにゃ、って笑って…私の手に擦り寄って。よっぽどお兄さんの事が好きなようですね?」
…嗚呼、なんか、さっきと違う。
口調は同じなんだけど、声とか、笑い方が違う。
愁と似てる。人を”落とす”時のあいつと。
どこか、人を馬鹿にしているような、…そんな声、と笑い方。
あの愁よりは屑さ酷くねぇけど。
「…殺すぞ」
「ああ…図星でしたか?…それともブラコン、と言った方がよかったですか?」
「ああ?」
ような、じゃない。こいつは馬鹿にしてる。
愁が言ってた中身が糞しかつまってない、って…こういうこと?
つか、別にブラコンじゃねぇし。
これ言うの何度目だよ。あ、椿に対して言うのは初めてか。
愁は俺のことを知っているからそうやって馬鹿にされるのは許せる…つかあいつはそういうやつだし。
だけど、それ以外のやつに兄貴を大事に思ってるだけでブラコンって馬鹿にされる言われはねぇ。
「…次んな事いったら…殺すぞ」
「っ…」
殺気を込めた目。喧嘩をするときと同じ目で、椿を睨んだ。
途端に冷たく変わる空気に、椿が息を飲んだ。
「…何も知らねぇくせに、調子乗ってんじゃねぇぞ」
大体のやつはこれでビビる。
だが、こいつは違った。まるでこの時を"楽しんで"いるように、「くは」と笑った。
この表情を見せたのは愁と、お前だけ。
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