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「……わぶ…っ?!」
涼の部屋に入ったらすぐにベットの上に放り投げられる。ガチャって音がドアの方から聞こえて、そっちを見たら鍵を閉めた後であった。
…何で鍵…?
「覗かれても困る」
「覗く…のか…?」
「あいつらなら覗きかねない」
覗くのか…。椿家は大変なんだな色々と。
「…昴流」
「ん…っ、どうした?」
俺の上に覆い被さって、壊れ物を扱うように、優しい手つきで俺を撫でて、キスを落とす。
「…俺の全部を知ってもお前は好きでいてくれるか」
それは、滅多に聞くことのない不安そうな声だった。
金髪くんが「あの兄貴が」といっていた事に多分関係があるんだと思う。
それがどういうのを意味しているのか俺には分からない。もしかしたら知ったらショックを受けるような事かもしれない。
だけど
「俺はそんなことで嫌いになったりしねえよ」
…それどころか、俺はきっと嬉しく思うんじゃないだろうか。そこにどんなに大きいショックがあったとしても。俺は今涼のことで知っていることよりも知らないことの方が沢山有るから。
「…だから、少しずつで良いから知りたい、お前の事全部。勿論、言いたくねえことは言わなくても良いから。…俺、涼の事全然知らねえから、…ちょっと……寂しい…」
言いたくねえなら言わなくて良いって言ったくせに、こえじゃあ嫌でも言えって言ってるみたいだな。
寂しいって思うとか面倒なやつって思われたかな。餓鬼みたいで。…いや、まだ餓鬼だけど実際。
「……はは、男前なんだが可愛いんだか分からねえ奴だな」
けどその不安は思い過ごしだったようで、涼は幸せそうに笑い、俺を抱き締めた。
「いつかちゃんと話すよ。…だから勝手で悪いけど待っててくれ」
「…ん、嗚呼。待つよ」
俺が俺の事を話すのを待っててくれたように、俺も待つよ、いつまでも。
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