アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
23にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
23
-
翌朝、今までに感じたことのない腰の痛みに、起き上がる事が出来なかった。
「…っつぅ!」
「おはよう、甫。やっぱり腰、痛いか?」
既に着替えを済ませて、喫茶の制服姿の向田篤志が申し訳無さそうに聞いてくる。
「大丈夫。…でも、昴達には夜から出るって伝えておいて。」
「ああ。」
向田篤志の手には、淹れたての珈琲があり、ベッドに上半身を起こした状態の井端甫が朝食を取りやすい様にか、クラッカーの間にチーズやトマトなどがはさまっている、一口サイズの物が用意された。
「美味しい。」
向田篤志は、昔から珈琲を淹れるのが上手だった。朝から珈琲を飲むと胃が痛くなると言う井端甫の為に、試行錯誤し、胃に優しい様に朝食とうまく合わせてくれる。
美味しそうに朝食を頬張る井端甫に、向田篤志はそっと手を伸ばし、寝癖のついた髪の毛を愛おしそうに撫でた。
「甫…愛してる。」
「…っ!」
珈琲を飲んでいた井端甫は思わず吹き出しそうになるのをなんとか堪え、珈琲カップを手探りでベッドサイドテーブルに置いた。
「大丈夫か?」
むせる井端甫の背を摩りながら、向田篤志が心配そうに尋ねる。
「ごほっ、ごほっ…はぁ。もう平気…」
「すまない。」
「いいよ。ビックリしただけ……俺…も、愛してる。」
少しうつむき加減に、頬を染めながら呟く井端甫はとても愛らしく、向田篤志の中心に熱を持たせた。
「朝から…。悪い…ちょっと、トイレ。」
「?…うん。お腹でも壊した?」
向田篤志の中心はズボンを履いた状態でもわかるほどに立ち上がっていたが、目の見えない井端甫には見えず、これほどまでに井端甫の目が見えなくて良かったと思ったことは無かった。
「…俺もまだまだ若いな…。」
トイレに向かいながら、朝から元気な自分の中心を見て呟く。井端甫の醸し出す色気は九十九昴とは違うが、あの二人は何処か似ている部分がある。
男を惹きつける性質なのはもちろんのこと、目が見えなくなってからの井端甫は、九十九昴同様に何処か悟っている様なそんな雰囲気を醸し出していた。
「篤志。…大好きだよ。」
向田篤志の淹れた珈琲を手に取り、どこに向けても、どこを見ても変わらない真っ暗な景色を見つめながら、彼に届く様にと呟いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
51 / 70