アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
167
-
淹れてもらったコーヒーは、自分の家で飲むのよりはるかに美味くて、何度でも通いたくなる味だった。
目の前の男がいなければ。
にこにこと向かいに座って、俺の顔を眺める立花に俺は冷ややかな目を向ける。
「おい、こんなとこ座ってないで仕事しろよ」
「えー、今お客さんいないから良いんすよ。ねっ、店長?」
「え?あ、そうだねー。ゆっくりしてて良いよ」
立花が話を振ると、食器洗いをしてる誠さんが言う。
いやいや、食器洗いこそバイトの仕事だろ。とツッコミたくなるが、優しい誠さんといいかげんな立花のことだから、やめておいた。
「で、どーだったんすか?」
「何がだよ」
「爽やか王子とのセックス」
「ーーーっ!」
いきなり馬鹿なことを言う立花に、コーヒーを吹き出しそうになる俺。
なんとか耐えて、立花を睨みつけると、視界の端に気まずそうな顔をしている誠さんが見えた。
なんでいつも誠さんには恥ずかしい姿を晒さなきゃいけないんだ。
「てめえの頭ん中はそれしかねえのかよ」
「えー、思春期男子なんだから正常っすよ。陽さんもそうっしょ?」
「お前と一緒にすんじゃねえよ。この見境なし」
「心外だぁ。俺、毎日バイトづくしだから、意外と遊んでないんすよ?まぁ、バイトのお仲間誘って、シちゃうこともあるっすけど」
「......」
やっぱり遊んでんじゃねえかよと言いたくなるが、きっとこいつと俺の基準が違うんだと思い、もう諦めた。
「だから、あとあと気まずくなって辞めちゃうんすよね。こんなに長く続いてるバイトここくらいかも。店長と俺しかいないし」
なんでこんなやつ雇ってるんですかと誠さんに目で訴えると、それを察した誠さんは苦笑を浮かべながら言う。
「涼太くんは、優秀なんだよ。覚えも早いし、接客も上手だしね。......まあ、なんかホストクラブみたいだなって思うこともあるけど」
「おねーさんたち、俺目当てで来てますもんね!」
「あはは。正直、涼太くんのおかげで売り上げ上がってるよね」
そう言って、笑い合う二人。
なんか誠さん良い人すぎて、心配になる......。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
167 / 343