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帰宅後スーツのままコンビニで買ったビールを片手にベットに腰かける。ここでつまみが何品かでてくれば最高だが、そんな身分ではない。
冷蔵庫に何か入っていただろうかと考えていたら携帯が鳴った。
<モリ>
ディスプレイの名前を確かめて考える。今は盆でも正月でもないし、このあいだの布団うんぬんのレスにしては間があいている。そんなことを考えながら人差し指をスライドさせてモリと俺は繋がった。
『よ、征広』
「どうした?布団の件でレスがなかったのは不問にしてやる」
いつものようにポンポンとモリの声が続かない。初めてのことで俺は何かあったのかと心配になる。
「おい!モリ大丈夫か?どうした?なにかあったか?」
5秒くらいの沈黙のあとにモリは言った。
『なんだ、征広……ちゃんと心配できるじゃん』
「なに言ってんだよ」
『あのさ……ハタケに何かあったら征広が迎えにいってくれるか?俺、いきなりだと植物相手の仕事だから動けないし。いくら世界的ドル箱路線の羽田―千歳でも距離は征広の近さに敵わないからさ』
「ちょい、モリ。お前さっきから何言ってんの?」
『今ハタケが一緒に住んでいる相手は普通じゃないんだ』
「普通じゃないって、どういうことだよ」
『たぶん……ヤクザ系?本人には逢ってないけど、チンピラ風の見張りっぽいのがいてさ……』
モリの電話はそれだけを伝えて切れた。あの鈍いモリがそう思ったということは絶対だ。
シュンはヤクザに囲われているということか?
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