アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
鈴の家
-
「あー、…なにやってんの俺。」
取り敢えず卵焼きだけでも。と卵を割ろうとしたら失敗して床に落としてしまった
拾えるかな。と挑戦したが、余計ごちゃごちゃにしてしまっただけだった
割れた卵の前に座り、どすればいいか考える。
鈴に助けを求めたいが、それでは意味がない。
しばらくそうして見ていたら、段々と悲しい気持ちになってきて視界が潤んできた
割ってしまった卵にも申し訳ないし、卵ひとつ割れない俺も情けなさすぎる。
「わー、どうしたの。泣かないの」
「…っ、」
ぽろ。と涙がこぼれた
それを突如現れた鈴に拭き取られる
「卵割れちゃったの?」
こく。と頷く
「朝ごはん作ろうとしてくれたの?
ありがとね」
ここは俺が片付けるからテレビでも見ててー。と指示される
「…ごめんなさい」
言い残してリビングに向かおうとする
「なんで謝るの?嬉しかったよ
卵の割り方は今度一緒に練習しよ!」
よしよし。と頭を撫でられる
「…鈴」
「んー?」
「朝ごはん、…一緒に作ろ?」
別にひとりで出来ないとか思ったんじゃない。
ただ、鈴と一緒に作りたかっただけだ
「もちろん!」
にこにこの鈴が、俺を見て更に笑顔になった
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
413 / 427