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怖い。
けど、覚悟決めないと。
「……時音ちゃんがね、あのあと戻ってきて俺間違えて出ちゃって…どんな関係ですかって言われたんだ」
俺がそう言うと少しだけ驚いた顔をした。
「…そう」
「…それで隠せないと思ったから正直に言ったら…全部知ったら受け止めきれなくて離れるに決まってるんだから別れろって言われちゃって…」
「……」
俺の頭を撫でてた手がぴたっと止まった。
それが怖くなって先を急いだ。
「……全部、って…なに?」
「……」
勇気を出してやっと核心に触れたけど沈黙が流れる。
玖音が動揺するなんて珍しい…
やっぱり聞かない方がよかったかな…なんて後悔してももう遅いのだけれど。
それ以上どうしようもなくてただ見つめていると頭を撫でられてた手が頬に滑り落ちて撫でられた。
少しだけ寂しそうに笑う。
儚くて寂しくて…消えてしまいそうだった。
「ごめんね…嫌な思いさせちゃったね」
首を横に振った。
こんな時まで俺の心配なんかしなくていいのに。
「時音の言ったことは気にしないで。あいつは男とか女とか、いい人とか悪い人とか関係なしに恋人がいること自体が許せないと思うんだ」
「…許せない?」
「……んー…なんて言ったらいいかな…」
指で頬を搔いて唸る玖音。
言葉を模索する間俺はただ次の言葉を待った。
「ゆっくりでいいよ、大丈夫だよ」そんな意味を込めて頬にある手を優しく握った。
ぴくっとその手が震えて揺れる瞳が俺を捉えた。
「…そうだね、いつか話さなきゃって…思ってた」
独り言のように呟いてベットの上で向かい合う様に座った。
「昔話…聞いてくれる?」
その言葉に俺はゆっくり頷いた。
心臓がうるさい。
…大丈夫、玖音が話してくれるのならちゃんと聞かなくちゃ…
俺が頷くとまた眉を下げて微笑んで思い出すように目を閉じた。
一言目から俺が予想してないような言葉が聞こえた。
「…僕の父親、犯罪者なんだ」
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