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はじまり
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確かに、先輩のことは好きだ。
気に入られようと頑張った。
『直、好きだ。付き合ってくれないか。』
でも………
本当に付き合うなんて…………。
怖い。
「えっと……あの…………でも………。
俺、男だし……。」
俺の悪いところもどんどん知られて、嫌われて、捨てられたら。
怖い。
だから、まだ……
「まだ、猫かぶってて……本当はもっと口悪いし。
喋るのも下手だからつまんないし……
それにっ………」
まだまだ続けようとしたのに。
顎に指がかかる。
少しでも動いたら触れてしまいそうな程近くにある顔。
『俺の好きな人のこと、それ以上悪く言ったら、怒るよ?』
その囁くような声に心臓がぎゅっとなり、言われた言葉を理解するのに時間がかかった。
「…………………………あっ………。」
どうしよう。
なんて返せばいいんだろう。
答えは出ない。
それきり何も言えず、慌てて目を反らす。
顎を掴んだままの手に、もう一度力がかかり、再び上を向かされる。
それほど間を置かず、ちゅっと口づけられた。
『嫌がらないんだね。
もう一度聞くよ?
俺と、付き合ってくれますか?』
「……………はいっ。」
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