アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
俺たちの秘密〜むつ〜
-
修二の聞いたことないほどの低い冷たい声に、病院で見た、怒りに満ちた瞳が見て取れる。
うおッ!、すっげェ怒ってる!
何々?もしかして俺、攫われたと思ったのか?
チゲェ〜し、俺が頼んで連れてきてもらったのに。
修二『車は何処?ココの駐車場?』
百目鬼『場所、知りたい?知りたいなら中に入ったら?』
修二『あんたと密室に入る気は無い、約束が違う』
百目鬼『ふーん、じゃあ、話はお終いだな』
ーキィー
ドアの動く音がして、直ぐにガンッて蹴りつける音で止まる。
修二『あんたはもっと賢いと思ってた。人質は無事だから意味があるんだ』
百目鬼『だから、華南のことは誤解だって言ったろ?』
修二『信じられない』
百目鬼『とにかく、話したいなら入れ、むつ君の居場所知りたいだろ?』
修二『…』
ーバタン
ドアの閉まる音がしたが、修二と百目鬼さんが姿を現さない。これは仲裁に入った方がいいかと思い、俺は椅子から立ち上がった。
修二って怒ると奏一さんなみに怖いんだな…
百目鬼『入らないのか?』
修二『むつは、何処だ』
静かで怒気を含む声色、怒鳴ってるより恐いと感じるのは、修二の聞いたことのない低い声に激怒しているのが分かるから。
そもそも何で修二は俺を探してるんだ?俺が修二を探してたのに…
俺は通路の方に歩み寄る。よくわからないけど、顔を見せたら修二のやつ落ち着くかな?
百目鬼『知りたいなら奥に来れば?』
修二『あんたは分かってない、僕は例えむつ達と卒業までで別れたとしても、あんたともう一度は無い』
…えっ?
玄関ドアに続く通路に出かかった足を引っ込めて、思わず固まった。
百目鬼『…話は奥で…』
修二『ふざけるな』
百目鬼『華南のことは誤解だ、いいのか?今のお前、だいぶ俺を煽ってるぜ?』
修二『クズが…』
百目鬼『……先週はそのクズの手であんなに感じてたくせに…』
修二『あんたがそう仕込んだんだろ?そりゃ体は覚えてるさ、でも、それだけだ』
か…ら…だ…?仕込む?
百目鬼『…くっくっく…』
修二『…?』
百目鬼『やっぱり誤解は解けそうにない…、なぁ、代わりに説得してくれるか?むつ君』
修二『ぇっ…』
名前を呼ばれて、ビクッとした。
今知ることが多すぎて訳が分からず、返事ができない。
頭の高速道路に一気に情報が流れ込んであっという間に渋滞だ。
俺が固まっていると、通路から修二が姿を現し、俺を見つけて真っ青になって目を見開いた。
ガクガクと震え、恐怖と怒りと焦りの混じった瞳で百目鬼を睨みつけるが、睨まれた本人は平然としてさっきまで座っていた椅子に腰を下ろした。
百目鬼「俺は、居場所が知りたいなら中に入れって言ったぜ?」
彼は悠然と煙草をふかし、笑みさえ浮かべて修二を見る。
俺は一体どうしたらいいんだろう。頭がこんがらがって正解が分からない。
何故修二は言い訳しないんだろう?
「嘘だよ」「違うんだよ」って言うところじゃねぇの?
別れる?
仕込んだ?
先週?
体が覚えてる?
それから…
クズの手で感じた?
え?
先週って…、もしかして…百目鬼さんに商店街で会った日?
あの日、…?あの日はマキと言い合いになって怪我を…
相手はマキじゃなくて百目鬼さん?
むつ「…しゅう…じ?」
名前を呼んだだけなのに、ビクッと肩が大きく震えた修二。それだけで、修二が否定する気がないと分かった。
むつ「…あ…」
何を言えばいい?何を聞けばいい?
知らないことが多すぎる。
むつ「…先週…百目鬼さんと出掛けた後、修二は怪我して帰って来た…、百目鬼さんがやったの?」
百目鬼「あぁ…歯型のこと?」
歯型…?
修二…まさか…ワイシャツ脱がなかったのって…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
273 / 1004