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(番外編)純愛>♎︎<狂愛27
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こないだ僕が百目鬼さんと仲直りの話し合いをした時、矢田さん達はいなかった。矢田さんにバレたら大事件にするからって、内緒にしなきゃいけなかったよね…
百目鬼さんは、矢田さんの首根っこ掴んで、何やら店の隅へ移動した。
矢田さんには可哀想だけど、百目鬼さんが「余計な詮索するな」とクギを刺すんだろう。可哀想な矢田さん。でも、矢田さんの暴露率の高さは、何が起こるか分からないし仕方ないよね♪♪
ここは誤魔化した方が無難。
マキ「やん♪♪声が大きいー、つよしってばぁ♪恥ずかしいことになっちゃうでしょ」
僕が困り顔でそう言うと、つよしは〝気まづい話題〟だと思ってくれたみたいで、口を押さえながら座って小さくなる。
つよし「ごご、ごめんなさい、違ったんですね…、す、すいません」
マキ「ふふふ♪♪」
なんでつよしは僕と百目鬼さんを恋人だなんて思ったのかな?百目鬼さんが威嚇してたからかな?
僕は直前に奏一さんに〝大好き〟って言ってたのに…。僕…なんか出てた?
僕と百目鬼さんって、はたから見て〝恋人同士〟に見えるのかな?
見えてたなら嬉しいなぁと思ってしまい、つい、つよしに肩を寄せ、小声で聞いてみた。
マキ「あの…さ、どうしてそう思ったの?」
つよしは、僕の質問に恐る恐る口から手を離して答えた。
つよし「ご、ごめんなさい…その…、マキさんの表情が全然違って見えて…」
マキ「僕?」
〝百目鬼さんが…〟、じゃ、ないのか。
マキ「僕…、露骨だった?ケーキ半分こしたりしたから?」
つよし「ち、違います。マキさんはいつも通りに近いけど、その、露骨って言うんじゃなくて…、あの…、見ない雰囲気があったっていうか、マキさんっていつもふざけてるから…。あんな表情珍しいなと思って」
あんな表情…
つよし「百目鬼さんと接してる時のマキさん、とっても可愛かったんです」
可愛い?
ニコニコしてるからじゃなくて?
………。
露骨な嫉妬をしてた百目鬼さんが、僕を好きなように見えたんじゃなくて、僕が百目鬼さんを好きなように見えたのか。
…残念。
マキ「ふふ♪♪。そっか」
信じるって決めてるのに、モヤモヤこんな気持ちになるってことは、僕は贅沢にも求めてるんだな…
百目鬼さんとは、これからちゃんと2人で僕らの恋愛を育てていかなくちゃいけない。
百目鬼さんに同棲をしようと言ってもらえて凄く凄く嬉しいけど、僕を大事にしてくれてる百目鬼さんの優しさが嬉しいけど、毎日一緒に居られて求めてもらえて嬉しいけど…
百目鬼さんが、暴走しないように歯を喰いしばるたびに。僕の為にそうしてくれてるんだと愛しく思いながら、心の奥底では切なく胸が締め付けられる。
こんなことは叶わないと思いながら、僕の心は欲してしまう。百目鬼さんが僕を…
〝狂うほど愛して〟くれないかなって…
百目鬼さんの中の1番になりたいなって…
マキ「僕は、百目鬼さんの事大好きだよ♪」
つよし「…え?そ、それなら両思いじゃないんですか?」
つよしが耳打ちした言葉に、僕は目を瞬いた。
マキ「…え?…」
つよし「百目鬼さんって方、きっとマキさんのこと好きですよ」
マキ「僕とつよしの間を邪魔したから?」
つよし「んー、そ、それもありますけど。僕は、百目鬼さんがマキさんを好きで付き合ってらっしゃるように見えたので…」
マキ「はえ??」
衝撃の言葉に、素っ頓狂な声が出た。
つよしのまっすぐな瞳は、僕を動揺させて、僕は惚けるのを忘れてしまった。その間に、つよしは顔を赤くしながら続ける。
つよし「恋人じゃないなんて信じられないくらい、お、お似合いに見えたので…つい…」
マキ「お似合い?見えた?見えるの?」
つよし「え、は、はい。見えました。百目鬼さんって方は、た、確かに怖い顔してたけど、こう、マキさんには特別な思いがこもってるように見えた」
百目鬼さんが、僕に、特別な思いがこもってるように見えた…。
嫉妬のことじゃなくて?
つよし「マキさんも、いつもふざけてニコニコ笑ってるけど、百目鬼さんを見る時だけ花が咲いたみたいだったから…」
花が咲いたみたい…
マキ「……つよしって、前から思ってたけど、細かいところ観察してるよね?」
つよし「あっ、ぼ、僕の場合、癖です。日本に来た時言葉が通じなくて。あ、相手の表情や身振り手振りで気持ちを伝えたりしてたので、相手の顔を見るのが癖になっちゃってて…」
そうだ、つよしは帰国子女だった。
それでちょっと鋭いとこあるのか…
マキ「…百目鬼さんが、僕を好きなように見えるの?」
つよし「……ぁ…えっと、かなり…」
百目鬼さんが、僕を好きなように見える。
それだけだったのに、僕の中でつかえていたものが取れたような気がした。
嫉妬してもらえても、監禁したいと言われても、見えないものへの自信のなさが、ずっと引っかかってた。
百目鬼さんが、僕を好き。
僕たちは恋人同士に見える。
ふふふ♪
マキ「つよし大好き♪♪食べちゃいたい♪♪」
つよし「ぇ、ええ¨!?」
ムギュッとその小さなつよしの体を抱きしめると、腕の中にすっぽり収まって、凄く抱き心地が良い。
つよしは突然の事に、顔を真っ赤にしてアタフタしながらお目々グルグルパニック状態。
でも嬉しすぎて、つよしを離すどころか更に腕に力が入っちゃった♪♪
つよし「マママママキさぁん!!」
マキ「えへへ♪♪」
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